女神さまからのおくりもの

 

[童話]女神さまからのおくりもの

 

 プロローグ 1 

 

「あのかたが、丘の上で待ってい

ますよ」

清太は、丘へ向かって、馬を走ら

せました。

 

 

 

「何か御用でしょうか」

「清太は、こちらへきて、何年に

なる?」

「五百年になります」

「そうか、そんなになるのか。月

日のたつのは、早いものじゃのぅ。

清太、ふくから、何か聞いている

かな」

「いいえ、何も。ただ、昨日会っ

た時、ふくちゃんがさみしそうな

顔をしていたので、どうしたのか

と心配していました」

 

 

 

「実は・・・ふくが、あちらの国へ

行くことになった」

「ふくちゃんが・・・ですか。さみし

くなりますね」

「ふくも、清太やきよと別れるの

が辛いようじゃ」

「ふくちゃんは、どちらへ」

「守屋山のふもとの村じゃ」

 

 

                                   つづく