初めてのかたは、昨日の日記を読んでください
ね。
黄金色のまゆ玉1
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20060220
黄金色のまゆ玉2
明神さまがでてきました。
「おお、寒いっ」
明神さまは空をみあげ、みぶるいしました。
そして、なにやら小声でつぶやくと、足早に歩
き始めました。
その歩きかたの早いことといったら。
こんなに早く歩く人をみたことがありません。
青年たちは、たちまち明神さまの姿を見失って
しまいました。
「明神さまって、足が早いんだね。まるで、氷
の上をすべるように歩いていったよ」
「それにしても、明神さまはどこへ行ったのだ
ろう」
「好きな人のところへ行ったのかもしれないよ」
「ばかをいえ。あんな美しい奥さんがいるのに、
明神さまがそんなことをするはずがないじゃないか」
「じょうだんだよ。じょうだん。なにしろあの二
人はうらやましいほど仲がいいからね」
「じゃあ、明神さまはどこへ行ったのだろう」
「明日の夜は、なんとしても明神さまの行き先を
つきとめよう」
青年たちは、何日も明神さまのあとをつけました。
しかし、いつも明神さまの姿を見失ってしまいま
した。
ある夜のことです。
湖の真ん中あたりまできたら、「ばりばりっ」
「みしっ」という大きな音がして、氷がわれはじ
めました。
「わぁー、たいへん。気をつけないと、湖へ落ち
るぞ」
青年たちは、おもわず後ずさりしました。
そうしている間に、その夜も明神さまをみうしな
ってしまいました。
「今夜こそ、行く先をつきとめられると思ったの
に、残念だったな。それにしても、あぶないとこ
ろだった。こんな寒い夜湖に落ちたら、しんぞう
まひでしんでしまうぞ」
青年たちは、とぼとぼと家に帰りました。
つづく
私は、童話「風の神様からのおくりもの」の中で、
風の神様が大切にしている「黄金色のまゆ玉」の
ことを書きました。
童話「風の神様からのおくりもの」は、みほようこ
の初めての童話集・「風の神様からのおくりもの」
に収録されています。
童話「風の神様からのおくりもの」
http://www.geocities.jp/dowakan/kazenokami1.html
- 作者: みほようこ,長野ひろかず
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