2008-01-01から1年間の記事一覧

母の短歌49

伸び立てる韮の二度萌やわらかし 株間にたまる柿落葉拾ふ 王滝の震源地なる御岳山 雪かむりて幾すぢも煙立つ見ゆ アメリカシロヒトリに食まれし胡桃の二度萌えが 紅葉の中に青く茂れり 落葉焼きて広々とせし裏庭に この年終の草むしりする

りゅうのひみつ日記

12月30日 かんそう[童話]井戸で鳴く黄金色のにわとりをよんだ 井戸で鳴くんだよ おしまい 井戸で鳴く黄金色のにわとり http://d.hatena.ne.jp/youko510/20081230#p1 「井戸で鳴く黄金色のにわとり」 は、信州伊那谷にあった「大島城」 に伝わっている話…

鹿になった観音さま

鹿になった観音さま1 http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080213#p1 「鹿になった観音さま」は、信州 伊那谷の「立石寺」に伝わってい る話をヒントにして、みほようこ が書いた物語。 「次の日」「次の日」とおせば、 「鹿になった観音さま」を続けて 読む…

ふしぎな鈴

ふしぎな鈴49 おかあさんは乳にがんができて、 この間手術をしたばかりでした。 おかあさんは乳を切ってしまった ので、手が上にあがりません。 ふっくらしていたおかあさんの顔 が、日ごとにやせていくのをみて、 かなは心配でたまりませんでした。 「そ…

母の短歌48

この夕も同じ四辻にて犬を連れし 少年に逢ひて引き返し来ぬ 素枯れたるわらびの葉をふく風をみて 息整へぬこの丘道に 一筋の水落ちてゐる不動滝 岩肌白く紅葉に静もる 娘夫婦の案内で来し付知峡の 極まる紅葉に心は足りぬ

りゅうのひみつ日記

12月30日 よんだ[童話]白駒の池物語を読んだ ことができるのかー おしまい 白駒の池物語 http://d.hatena.ne.jp/youko510/20081229#p1 「白駒の池物語」は、信州佐久に ある「白駒の池」に伝わっている 話をヒントにして、みほようこが 書いた物語。

水仙

「花のほほえみ」より 水仙

ふしぎな鈴

ふしぎな鈴48 「あっ!」 かなが大声でさけんだ時、お月さ まの耳についていた星が、するす るとおりてきました。 そして、かなの耳に、ぴたっとつ きました。 「なんてすてきな耳かざりだろう。 うれしいなぁ。お月さま、どうも ありがとう」 お月さまに…

母の短歌47

こほろぎ一つ歩む厨に粕に酔ひつつ 汝らに送らむ縞瓜漬けをり 庭師等の帰りし庭に早々と みんみん蝉の鳴き出したり 真夏日の続きし庭の雲龍ひば 幹に生ひしソロバン草も乾き細りぬ さはやか体験スクーリングに学び歩きて 最低血圧正常となりきぬ

アイリスつぼみ

「花のほほえみ」より アイリスつぼみ

ふしぎな鈴

ふしぎな鈴47 「あっ、たいへん!」 かなが大声でさけんだ時、お月さ まの耳のあたりに、金星がぴたっ とつきました。 「わぁー、お月さまの耳かざりみ たい。すてきだわ。 私もあんな耳かざりがほしいなぁ」 すると、どこからか声が聞こえて きました。 …

母の短歌46

一輪のカタクリの花床に飾り茶を点てる 娘の背に落ちつきの見ゆ 停電の時間だけ遅れしタイムスイッチ進めて 今日の厨仕事終りぬ 人それぞれに合ひたる交はりも身につきて 移り住みしより二十四年過ぐ 母に似て太りし姉と父に似て 痩せたる吾と湯を浴みてをり

花のほほえみ

「はてなフォトライフ」の 「花のほほえみ」を、更新しました。 水仙・アイリスなどを追加しました。 「花のほほえみ」より 水仙 花のほほえみ1 http://f.hatena.ne.jp/youko510/ 花のほほえみ2 http://f.hatena.ne.jp/dowakan/

ふしぎな鈴

ふしぎな鈴46 どのくらいの時間がすぎたのでし ょうか。 気がつくと、あたりはうす暗くな っていました。うす暗くなった道 を、かなとりゅうは、家にいそぎ ました。 長い坂道をのぼり、平らな道にで た時、空にはもうお月さまがでて いました。 今日のお…

母の短歌45

庭隅のほぐれつつ伸びしミヤマソテツに 夕づく木漏日淡く射し来つ 二階より見下ろす桑畑一様に 芽吹きて目にしむ朝光さして 良きも悪しきも少しは頷ける「姓名判断」に 興味をもちて読みゐる 千二百メートルを十五分と言ふ歩くペース 決まりて指導受けつつ歩…

はてなハイク

dowakan はてなハイク http://h.hatena.ne.jp/dowakan/ このページの「左の欄」にも、 「はてなハイク」をのせてあります。 読みにくい人は、上のページを開 いてくださいね。

ふしぎな鈴

ふしぎな鈴45 かなとりゅうは、いつもの道を走 ったり、歩いたり、休んだりしな がら散歩しました。 細い道のまわりには、ずっとたん ぼが続いています。 たんぼにはかりとったばかりの稲 が、はざ(稲を干すためのたな) にかけてありました。 はざのまわ…

母の短歌44

漸くに春めきし日を背に受けて 二週間おそく春野菜蒔く 五年振りの帰国間近き汝の布団 春めきし光の屋根に広げ干す 末の娘の嫁入りの荷物出し終へて 寂しけれども心安けし 長かりし厳しき冬を思ひつつ 池の水道の囲ひを外す

ふしぎな鈴

ふしぎな鈴44 校長先生から桜の鈴をもらったかな は、毎日りゅうと散歩しました。 「りゅう、りゅうはどこからきたの?」 「ぼくはね、遠い国からきたんだ。 かなさんのおとうさんにたのまれて、 この国へきたんだよ。 おとうさんはね、あちらの国で元気 …

母の短歌43

かへりくる言葉は少し間のあれど ペルーの汝の声受話器に近し 赤彦の「家ひくくして道広し」の額 かかげある店に木曾土産買ふ この冬のきびしき寒さに凍み枯れて 月桂樹の葉風に鳴りをり 無人化となりたる駅に牛乳瓶の 水仙の花に心和み待つ

ふしぎな鈴

ふしぎな鈴43 「どうして、かなはこの桜の鈴の ことを知っているの?」 「とうちゃんがなくなる時、小桜 姫さまは二つの鈴を大切にしてい たのだよって、話してくれたから」 「そうだったのか…。 かな、おとうさんがそういったのか。 この鈴はね、小桜姫が…

母の短歌42

お日待ちの朝より炊きし一俵の飯 千個のむすびに握り終へたり おしなべて素枯るる中に株増えて 万年青のみどり凍みに耐へたり 七十路越ゆれば一日一日が貴しと 従兄弟の言ふをしみじみと聞く 庭内の裸木の雪とけ始めて 午後の日ざしにしきりと雫す

ふしぎな鈴

ふしぎな鈴42 「かな、いいものをあげよう。 桜の鈴だよ。ほら、いい音がする だろう」 「リーン・リーン・リーン」 校長先生が鈴をふると、鈴虫が鳴 いているような音色が、あたりに ひびきわたりました。 「かな、この鈴をふるとね、花や 小鳥とお話がで…

母の短歌41

大根の白く乾ける門先に 乙女椿の返り花咲く 八つ手の花白く散りしく裏庭に 霜蕨の花茎立ちて来にけり 木の梢に残りてありし富有柿も へたのみとなり小鳥等遊ぶ カマキリの卵のつきしペペロシアの 鉢を夜ごとにとり入れて囲ふ

ふしぎな鈴

ふしぎな鈴41 それだけではありません。 娘とすごした鎌倉の様子が、走馬 灯のように頭の中にうかんできた のです。 「おとうさま、おとうさまー」と よぶ娘の声まで、校長先生ははっ きりと思い出しました。 「やはり、かなは私の娘だったのだ」 校長先生…

母の短歌40

農にあらぬ我の作りし蜀黍を 一夜にハクビシン食ひ荒したり 下絵なしで唐草模様をひたすらに彫る 沈金師の手元息つめて見る 楤の木の頂白く咲く花に 蜂群れむれて今日も暮れゆく 霜枯れて桑の畑に電柱の 落とす影長く冬に入るなり

ふしぎな鈴

ふしぎな鈴40 「リーン・リーン・コロンころん」 「リーン・リーン・コロンころん」 何度も鈴の音を聞いているうちに、 校長先生の頭の中に、遠い昔のある 光景が、ぼんやり浮かんできました。 大きなおやしき…たくさんの木が植え てある広い庭…庭へやって…

母の短歌39

墓参り昨日済ませて亡き夫の 命日の今日旅に出で来ぬ 在りし日に夫が播きたる万両は 今年つぶらみ多くつけたり 箱根バラの毛でおほはれし青き実を 珍しく見て石畳登る 落ち柿のすゆる臭ひも親しくて 秋づく日射しにほうれん草を播く

りゅうのひみつ日記

12月21日 かんそう[童話]明神さまの姿をみた少女を 読んだよ 姿をみるんだよ おしまい 明神さまの姿をみた少女11 http://d.hatena.ne.jp/youko510/20081221#p1 今、みほようこの日記では、 童話「明神さまの姿をみた少女」 を連載しています。 「明神…

シンピジューム

「花のほほえみ」より シンピジューム