2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

母の短歌20

三つ葉摘む夕暮れの庭にライラックの 花房ゆれてしるく匂ひぬ 巣作りの材料をくはへて電線に 並ぶ雀に春日あまねし 沢に生ふるアカシヤの花トンネルを ぬけし電車の窓に匂ひぬ 二年間体を擦り片へりの カメノコタワシを日光消毒する

白椿

「花のほほえみ」より 白椿

ふしぎな鈴

ふしぎな鈴20 「ピーヒョロロ、ピーヒョロロ」 晴れた日には、とびが良い声で鳴 きながら、上空をまっています。 おとうさんは小鳥や花が大好きで した。 「かな、きてごらん。まゆみの木 へ”おなが”がきているよ」 庭へ小鳥がくると、おとうさんは かなを…

母の短歌19

一冬の松葉を拾ひ水替へし 苔むす石鉢雲を映せり 春野菜蒔くと出できし裏庭に 夫の好みし五加萌へをり 朴の葉の散りしく遊歩道に足とめて 梢に匂ふ花仰ぎ見る 隣屋の古き桃畑切り払はれて 南原の丘に人動く見ゆ

南アルプス

ふしぎな鈴

ふしぎな鈴19 かなの庭には、南天・梅もどき・ まゆみなど、実のなる木がたくさ ん植えてあります。 その木へ、いろいろな小鳥がたく さんやってきます。 「ホーホケキョ、ホーホケキョ」 四月になると、うぐいすがやって きます。 かなはうぐいすがくるの…

母の短歌18

黒土をもたげて萌えし芍薬を 棒で囲みまわりの草とる 見事なる越前蟹の食べ方の 説明に始まる奥能登の宴 五月の日に一升瓶に仕込みたる 松葉の酒がふつふつと沸く 大工等の残して行きし尺棒を 伸びしテッセンの新芽の支へに

しくらめん

「花のほほえみ」より しくらめん

ふしぎな鈴

ふしぎな鈴18 「そういえば、おくがたさまはい つも花や小鳥と楽しそうにお話を しておられたが、おくがたさまは 花や小鳥のことばがわかったのだ ろうか」 何も知らない藩の人々は、そうい ってふしぎがりました。 ー かな生まれる ー 小桜姫がなくなって…

母の短歌17

枯草の冬日に光る田の土手に スカンポの若芽赤く萌え出づ 小雪舞ふ輪島の朝市活気あり 頬かぶりせし女等逞しく商ふ 千里浜の松の並木の間より 見ゆる水平線にある船小さし 苦土石灰播きて春野菜作らむと 連作避けて小さく区切れり

楓紅葉

「花のほほえみ」より 楓紅葉

ふしぎな鈴

ふしぎな鈴18 「かな、この鈴を大切にするのだよ」 長いひげの人は、その少女を“かな” とよんでいます。 「私はかなという少女に生まれ変わ るのかもしれない」 姫は、なぜかそう思いました。 「数百年後、山深い町に、かなとい う名前の女の子が生まれる…

母の短歌16

心なき人の言葉に反発する 気も起こらずに帰り来りぬ 夫亡きもしばし忘れる思ひして 天の橋立またのぞきする 軒下にふせをく葱の風に鳴る 枯葉の中に緑萌え来し 心なき人の一言に傷つきゐる 友を思ひて話題をそらす

まゆみの実

「花のほほえみ」より まゆみの実

ふしぎな鈴

ふしぎな鈴17 一年後、姫は重い病気にかかり、 三十四才の若さで、この世を去り ました。 なくなる少し前、姫はぼだい寺の 和尚に、大切にしていた二つの鈴 をあずけました。 「私もじきに死ぬだろう。 でも、いつかこの世にふたたび生 まれてきたい。 生…

母の短歌15

米十キロ1095円と記しある 十五年前の家計簿ひもときをり 雲間より一筋日影さす空に 児等揚げし凧高々と舞ふ 照り返す光眩しき畑に来て 雪かきはけてほうれん草を摘む 亡き歌の友に面影も声も良く似たる 生方先生の歌評メモとりて聞く

いちょう黄葉

「花のほほえみ」より いちょう黄葉

ふしぎな鈴

ふしぎな鈴16 姫は、城が見える南岸の森の陰へ、 仮家をつくり逃げていました。 そして、城が焼けおちるのを、対 岸のかくれ家で、くやしい思いで みていたのです。 「くやしい、くやしい……。 なんとしても、にくき北条をほろぼ したい」 心のやさしい姫で…

母の短歌14

ペルーにて生まれいまだ顔も見ぬ一才半の 水着にて写れる孫の写真届きぬ 文鳥に餌を与へつつ声かけし 亡き夫想ひ巣箱を洗ふ 映画に見し野麦峠に今日来れば 秋の雨降りあたりしずけし 在りし日のままなる夫の標札を 動かして過ぐる夕風のあり

りゅうのひみつ日記

11月24日 かんそう[童話]げら、桜が咲いたよを読んだ 桜が咲くんだよ おしまい げら、桜が咲いたよ1 http://d.hatena.ne.jp/youko510/20081124#p1

桜紅葉

「花のほほえみ」より 桜紅葉

ふしぎな鈴

ふしぎな鈴15 ひとつきに何度となくくりかえさ れる夜討ち、朝がけ、やあわせ、 きりあい。 どっとおこるときの声、空をこが すのろし…。 戦はすざましいものでした。 「一日も早く、戦が終わりますよ うに。どうかみんなが無事であり ますように」 姫は、…

母の短歌13

紫蘇の木を刻みて入れし健康枕 夜半に寝返る床に匂ひぬ 冬の日に張り替えし障子の乾く音 聞きつつ部屋に一人茶を飲む 体中の血管状態解るといふ 眼底写真恐れつつ見ぬ 落葉焚きし残り火気づかひ出でて来し 庭に七日の月を仰ぎぬ

小菊白

「花のほほえみ」より 小菊白

ふしぎな鈴

ふしぎな鈴14 大江家の一人娘が、なぜ三浦家へ とついだのかって、ふしぎに思う でしょうね。 おとうさんは姫にこどもが生まれ たら、一人大江家のあととりにす るつもりだったようです。 しかし、仲の良い夫婦でしたが、 何年たっても、こどもは授かりま …

母の短歌12

種籾を浸して豊凶を占ひしといふ その種籾が池底にあり 青田刈りの稲の白々乾く田に 友播きし葱青く伸び立つ アメリカシロヒトリに食はれて葉脈のみとなりし 胡桃の白きは梢にゆれをり ダイエット始めしといふ友の前に 心なき吾はケーキ食ひをり

りゅうのひみつ日記

11月21日 よんだ[童話]白駒の池物語を読んだよ 音が聞こえるんだよ おしまい 白駒の池ものがたり107 http://d.hatena.ne.jp/youko510/20081121#p1 今、みほようこの日記では、 「白駒の池物語」を連載しています。 「白駒の池物語」は、信州佐久にあ …

南天の紅葉

「花のほほえみ」より 南天の紅葉

ふしぎな鈴

ふしぎな鈴13 こうして、姫は、花や小鳥と、話 をすることができるようになりま した。 話ができるだけでなく、人々の気 持や、花や小鳥の気持が、よくわ かるようになりました。 年ごろになった姫は、はっとする ほど美しい娘になりました。 姿が美しいだ…

りゅうのひみつ日記

11月20日 かんそう[童話]白駒の池物語を読んだ 清太がするんだよ おしまい 白駒の池物語107 http://d.hatena.ne.jp/youko510/20081121#p1 今、みほようこの日記では、 「白駒の池物語」を連載しています。 「白駒の池物語」は、信州佐久にあ る湖・「…