2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧

古事記神話「古事記物語」

沼河比売 16 沼河比売は、深い淵でおぼれてな くなったのではないか。 いや、息子の建御名方神と一緒に、 諏訪へ行ったのではないか・・・など といわれています。 沼河比売は、どんな最後を迎えた のでしょうか。 沼河比売の最後を知る人は誰もい ません。…

古事記神話「古事記物語」

沼河比売 15 「沼河比売を連れもどしてこい」 大国主命は、家来たちに命じま した。 家来たちは、沼河比売たちの後を 追ってきます。 沼河比売たちは、福来口・根知谷・ 平牛・・・と、越の国内をあちこち逃 げまわりました。 家来たちに追われ、沼に落ち…

古事記神話「古事記物語」

沼河比売 14 大国主命は家来に命じ、沼河比売 が寝ている間に船にのせ、七尾港 へ運ばせました。 翌朝、目をさました沼河比売は驚 きました。 「なぜ船の上にいるのだろう」と。 沼河比売は、船から脱出する機会 をじっと待ちました。 一週間後の夜。 沼河…

古事記神話「古事記物語」

沼河比売 13 「一緒に出雲へいってほしい」と、 沼河比売にお願いしましたが、「出 雲へは行きません」と拒否されて しまいました。 出雲には、須勢理比売(すせりひめ) やイナダヒメなど、おおおぜいの妃 がいます。 中でも、本妻の須勢理比売のやきも …

古事記神話「古事記物語」

沼河比売 12 日本海からは、建御名方命の誕生 を祝うかのように、おだやかな気持 のいい風が吹いたそうです。 大国主命は、身能輪山の宮殿で、 沼河比売と建御名方神と三人で、幸 せに暮らしました。 ところが、ある日。 出雲から、大国主命の父神がなく …

古事記神話「古事記物語」

沼河比売 11 青苧とは、多年草の「からむし」 の茎からはぎとった皮とか。 また、製紙の技術も人々に伝えま した。 しばらくして、建御名方神(たけみな かたのかみ)が生まれました。 後に、諏訪の祭神になるかたです。 建御名方神が生まれた時、近くの …

古事記神話「古事記物語」

沼河比売 10 二人は、その夜は会いませんで した。 次の日の夜。 二人は会い、結婚しました。 その後。 二人は、しばらく沼河比売が住ん でいる里で暮らしました。 そして、翡翠の加工技術や販売方 法などを指導しました。 仕事が軌道にのると、二人は身能…

古事記神話「古事記物語」

沼河比売 9 すると、沼河比売が、家の中から こんな歌を返しました。 八千矛神さま。私は、しおれた草 のような女です。 私の心は、ふらふら飛ぶ水鳥のよ うです。 今は、自分のことしか考えていな い鳥ですが、いずれはあなたの鳥 になりましょう。 だから…

古事記神話「古事記物語」

沼河比売 8 遠い越の国に、賢くて美しい女性 がいると聞き、求婚するためやっ てきました。 刀の緒もとかず、旅の支度もとか ずに、こうしてあなたが寝ている 部屋の戸を押し、ゆさぶっている のです。 あなたからの返事を待っていると、 山ではとらつぐみ…

古事記神話「古事記物語」

沼河比売 7 根知彦が神馬に乗り、大きなかけ 声とともに飛んだ瞬間、どこから か「おー」という神様の声。 すると、ぴかっと稲光が。 根知彦と馬は、その稲光に当たり、 飛んでいる姿のまま石になって落 ちてしまいました。 根知彦に勝った大国主命は、早速…

古事記神話「古事記物語」

沼河比売 6 二人が勝負する場所は、奴奈川の 奥山・駒ケ岳。 最初に、根知彦が飛びました。 根知彦は、青光りする神馬にのり、 「えいっ」と大きな声をあげ飛び ました。 飛びおりた所は、別所。 続いて、牛に乗った大国主命が飛 んだ所は、別所の少し先。…

古事記神話「古事記物語」

沼河比売 5 大国主命にとって一番手ごわい相 手は、沼河比売におもいをよせて いる根知の根知彦でした。 根知彦は、大国主命が沼河比売に 求婚するため越の国へやってきた ことを知り、腹をたてています。 ある日。 根知彦は、大国主命が住んでいる 身能輪…

古事記神話「古事記物語」

沼河比売 4 ある日。 大国主命は、沼河比売が住んでい る里をこっそりみにいきました。 そして、「沼河比売、沼河比売―」 と、大声でさけんでしまったのです。 そのため、「大国主命は、沼河比売 のことが好きらしい」といううわさが たってしまいました。 …

古事記神話「古事記物語」

沼河比売 3 能登半島についた大国主命は、ま ず邑知(おおち)平野の開拓を始 めました。 その頃の邑知平野は大きな潟で、怪 鳥や大蛇が住み村人たちを困らせ ていました。 大国主命は、その怪鳥や大蛇を退 治し、まわりの地をだんだんに開 拓していきまし…

古事記神話「古事記物語」

沼河比売 2 沼河比売は、翡翠からいろいろな 宝石をつくる、玉造り集団の長で もありました。 沼河比売が持っている、カワセミ の羽のような美しい勾玉は、その ころの人々のあこがれの宝石だっ たのです。 その頃。 大国主命は、出雲のまわりの国を 平定し…

古事記神話「古事記物語」

沼河比売 1 越の国奴奈川に、翡翠色(ひすい いろ)の美しい勾玉を持っている 巫女がいました。 翡翠の女神といわれています。 女神の名は、沼河比売。 日本海に栄えた越王国の海神・神 意支都久辰為命(おきつくしいの みこと)の孫娘でした。 沼河比売は…

古事記神話「古事記物語」

少名毘古那 4 大国主命は、少名毘古那とともに、 豊かな暮らしやすい国を作ってい きました。 しばらくして、少名毘古那は、常 世の国へ帰っていってしまいました。 大国主命は「これから一人で立派 な国を作っていけるだろうか」と 心配しました。 そんな…

古事記神話「古事記物語」

少名毘古那 3 神産巣日神なら、大国主命もよく 知っています。 八十神たちにいじめられ、猪に似 た真っ赤に焼けた石を抱いて大や けどをした時、大国主命を助けて くれた恩人でした。 「あの小さな神様は、あなたのこ どもでしょうか」 「そう、わしのこど…

古事記神話「古事記物語」

少名毘古那 2 おとものものに聞いても、名前が わかりません。 「あの小さな神様は、誰じゃ」 大国主命は、近くにいたひき蛙に 聞きました。 すると、「クエビコが知っている でしょう」と。 クエビコとは、たんぼの中に立っ ているかかし。 たいそうなもの…

古事記神話「古事記物語」

少名毘古那(すくなびこな)1 ある日。 大国主命が、出雲の御大の岬に立っ ていると、はるかむこうに小さな舟 がみえました。 舟は、どんどんこちらへ近づいてき ます。 舟にのっているのは、小さな神様と おともたち。 ガガイモの細長い実を割って作った、…

古事記神話「古事記物語」

大国主命の試練 38 そんなある日。 稲羽(いなば)の八上比売が、大 国主命を訪ねてきました。 八上比売は、何か月かして、大国 主命のこどもを生みました。 しかし、すでに須勢理比売という 正妻がいたので、八上比売はその こどもを木のまたにはさみ、稲…

古事記神話「古事記物語」

大国主命の試練 37 その後。 大国主命は、須佐之男命からもらっ た太刀と弓矢を持って、八十神たち をうちにいきました。 八十神たちが逃げ回るのを追っかけ、 すべての兄弟を滅ぼしました。 大国主命は、国の神の頭になり、宇 迦山に立派な宮殿を建て、須…

古事記神話「古事記物語」

大国主命の試練 36 この坂は、黄泉の国と地上との境 にある坂。 昔、伊耶那岐命が黄泉の国から逃 げだし、伊耶那美命とののしりあ った坂でした。 命は、その坂の上から、大国主命 にむかって大声でさけびました。 「おーい、小僧っ。わしのだいじ な太刀…

古事記神話「古事記物語」

大国主命の試練 35 命は、その音で目をさましました。 髪の毛がたる木にしばりつけてあっ たので、大力の命が立ちあがると、 その部屋は「めりめりっ」と大きな 音をたてつぶれてしまいました。 「おのれ、小僧めっ」 命はひどく怒り、髪の毛を一束ずつ と…

古事記神話「古事記物語」

大国主命の試練 34 大国主命は、命が大切にしている 太刀と弓矢・玉のついた天の詔琴 (のりこと)をかかえ、須勢理比売を 背負って、やしきを逃げだしました。 太刀と弓矢は、蘇生の特殊能力を もっている神の武具。 天の詔琴は、権威ある命令を出す 時に…

古事記神話「古事記物語」

大国主命の試練 12 それをみた命は、 「ほほう、むかでを一匹ずつかみ つぶしているのだな。かわいいや つじゃ」と思いました。 命はすっかり安心して、大きない びきをかき寝てしまいました。 大国主命は、ぐずぐずしていると、 この先どんなひどいめにあ…

古事記神話「古事記物語」

大国主命の試練 11 「おーい、頭のしらみをとってくれ」 大国主命が、命の長い髪をかきわけ ると、しらみではなくたくさんのむかで がたかっています。 困ったなと思っていると、須勢理比売 がそばへ来て、椋の実と赤土をわたし てくれました。 「これでど…

古事記神話「古事記物語」

大国主命の試練 10 命も、「今度こそ死んだだろう」と 思い、須勢理比売の後をついていき ました。 すると。 大国主命が、元気な姿で、焼けあと の中から出てきました。 そして、矢を渡しました。 命は、大国主命が無事だったことを 知り驚きました。 命は…

古事記神話「古事記物語」

大国主命の試練 9 大国主命が、足元をどんとふむと、下 は大きな穴になっていました。 穴の中へ入り、身をかがめ隠れている と、近くまで燃えてきた火が穴の上を 通り、向こうへ遠のいていきました。 大国主命がほっとしていると、さっき のねずみが、口に…

古事記神話「古事記物語」

大国主命の試練 8 大国主命は、背丈ほどある草をか き分け、矢をさがしました。 でも、矢はみつかりません。 命は、大国主命を焼き殺そうと、野 原のまわりへ火をつけました。 四方から火があがり、あっという間 に、大国主命は逃げ場を失ってしま いました…