2016-11-01から1ヶ月間の記事一覧

古事記神話「古事記物語」

天照大御神と須佐之男命 17 すると、鼻や口や尻から、美味し いものをいろいろとりだし、料理 をして皿に盛りつけ差し出しました。 その様子をみていた須佐之男命は、 「おまえの口や鼻からだした物を くえるか」と怒り、大宜都比売神 (おおげつひめのか…

古事記神話「古事記物語」

天照大御神と須佐之男命 16 天照大御神が岩屋からでてきたの で、高天原も葦原中国も明るくな りました。 長く続いた真っ暗な夜は、こうし て終わりました。 神々は、このさわぎの原因をつくっ た須佐之男命に、たくさんの祓えも のを背負わせ、長いひげを…

古事記神話「古事記物語」

天照大御神と須佐之男命 15 すかさず、天児屋命(あめのこや のみこと)と布刀玉命(ふとたま のみこと)が、大きな鏡を差し出 し、天照大御神にみせました。 天照大御神は、少しずつ戸から出 てきて、鏡に映った姿をのぞきま した。 その瞬間、戸の脇に隠…

古事記神話「古事記物語」

天照大御神と須佐之男命 14 そのさわぎを聞いた天照大御神は、 「何をさわいでいるのかしら」と、 岩屋の戸を少し開けました。 「私が岩屋にこもっているので、 高天原も葦原中国も真っ暗なはず なのに、なぜ天宇受売命は楽しそ うに踊り、神々たちは大笑…

古事記神話「古事記物語」

天照大御神と須佐之男命 13 そして、足をとんとんと踏み鳴ら しながら、楽しそうにおどり始め ました。 しばらくすると、天宇受売命は、乳 や腹やももをまるだしにして、くる ったようにおどりだしました。 その様子をみた神たちが、「わぁー っ」と大声で…

古事記神話「古事記物語」

天照大御神と須佐之男命 12 この幣を、布刀玉命(ふとたまの みこと)が捧げ持ち、天児屋命(あ めのこやのみこと)が祝詞をあげ ました。 戸の脇には、天手力男神(あめの たぢからおのかみ)が、天照大御 神を岩戸からひきだすために隠れ ています。 天…

古事記神話「古事記物語」

天照大御神と須佐之男命 11 高天原にいるすべての長鳴鳥が、 岩戸の前に集められました。 一方、安の河の川上にある堅い石 と金山の鉄で大きな鏡を、八尺の 勾玉をたくさんつけた玉飾りも作 りました。 そして、香山(かぐやま)のカニ ワ桜の皮をもやし、…

古事記神話「古事記物語」

天照大御神と須佐之男命 10 高天原にいるすべての神が、天の 安の河原に集まり、どうしたら天 照大御神が岩屋から出てきてくれ るか、みんなで相談しました。 高御産巣日神(たかみむすひのかみ) の子で、一番かしこい神といわれて いる思金神(おもいか…

古事記神話」古事記物語」

天照大御神と須佐之男命 9 はたを織っていた女神がびっくり して、横糸を通す道具で下腹をつ き死んでしまいました。 その様子をみた天照大御神はこわ くなり、天の岩屋の戸を開け、中 に閉じこもってしまいました。 太陽の神である天照大御神が岩屋 に隠れ…

古事記神話「古事記物語」

天照大御神と須佐之男命 8 「くそのような物は、弟が酔って はいたのでは」 「田のあぜをこわしたのも、溝を 埋めたのも、土地を広くしようと 思ってやったのでしょう」 天照大御神は、須佐之男命がやっ たことをかばいました。 その後。 須佐之男命のいた…

古事記神話「古事記物語」

天照大御神と須佐之男命 7 すると、須佐之男命が、「わしの 心が清いから、おとなしい女神ば かりが生まれたのじゃ。だから、わ しの勝ちだ」と、じまんしました。 天照大御神に勝った須佐之男命は、 田のあぜをこわしたり、溝を埋めた り、大嘗(おおにえ…

古事記神話「古事記物語」

天照大御神と須佐之男命 6 右の手に巻いた玉から生まれた神 が、活津日子根命(いくつひこね のみこと)と熊野久須卑命(くま のくすひのみこと)。 五柱の男の神が生まれました。 「後から生まれた男の神は、私の 持物から生まれたから、当然私の もの。先…

古事記神話「古事記物語」

天照大御神と須佐之男命 5 生まれた子は、多紀理比売命(た ぎりひめのみこと)・狭依比売命 (さよりひめのみこと)・多岐都 比売命(たきつひめのみこと)。 三柱の女神が生まれました。 次に、須佐之男命がうけいを。 姉の八尺(やさか)の勾玉の髪飾り …

古事記神話「古事記物語」

天照大御神と須佐之男命 4 「弟よ。邪心がないことを、どう やって証明するの」 「こどもを生んで、あかしをたて よう」 「じゃあ、そうしましょう」 天照大御神と須佐之男命は、天の 安の河をはさんで、うけいをしま した。 最初に、天照大御神がうけいを…

古事記神話「古事記物語」

天照大御神と須佐之男命 3 そして、右手に弓を持つと、弓を つきたて、足が埋まるほど大地を 強くふみならしました。 すると、あたり一面に、庭の土が 粉雪のように飛び散りました。 戦う準備ができた天照大御神は、 須佐之男命がやってくるのを待ち ました…

古事記神話「古事記物語」

天照大御神と須佐之男命 2 「弟がここへ来るのは、なにかたく らみがあるにちがいない。わが国を うばおうと思ってやってきたのでは ないか」 天照大御神は、急いで髪をとくと、 みずら(男性の束ね髪)に結いなお しました。 そして、左右の髪には髪飾りを…

古事記神話「古事記物語」

天照大御神と須佐之男命 1 「じゃあ、姉の天照大御神に挨拶 してから、母がいる根之堅州国へ 行こう」 須佐之男命は、大空の上にある高 天原へ向かって、のぼって行きま した。 力の強い大男の須佐之男命が、どす んどすんと歩くので、大地が地震の ように…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命と伊耶那美命 21 伊耶那岐命は、須佐之男命をよび、 厳しくしかりました。 「おまえは、海原を治めずに、な ぜ泣きわめいているのだ」 「大好きな母がいる根之堅州国へ 行きたいと、泣いていたのです」 「そんな勝手なことは許さん。 さっさと出…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命と伊耶那美命 20 しかし、末っ子の須佐之男命は、 父のいいつけを守らず、長いひげ がみぞおちのあたりまで届くほど に成長しても、毎日泣きわめいて いました。 「わぁーん、あーん」 須佐之男命が赤ん坊のように大声 で泣きさけぶので、青々し…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命と伊耶那美命 19 そして、首飾りの玉の緒を、天照 大御神に授けました。 「天照大御神よ。おまえは、高天 原を治めなさい」 「月読神よ。おまえは、夜之食国 (よるのおすくに)を治めよ」 「須佐之男命よ。おまえは、海原 を治めなさい」 伊耶…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命と伊耶那美命 18 左の眼を洗った時に生まれた神が、 天照大御神。 右の眼を洗った時に生まれた神が、 月読神。 鼻を洗った時に生まれた神が、須佐 之男命でした。 「わしは、長い間たくさんの子を生 んできた。最後に、わしは三柱の尊 い子を生…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命と伊耶那美命 17 伊耶那岐命は、筑紫の日向の橘の あわき原に着きました。 「わしは、なんと醜い汚れた国へ 行っていたものだ。体についた汚 れを、川で洗って清めよう」 伊耶那岐命は、みそぎをしました。 その時投げ捨てた杖・帯・袋・衣・ は…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命と伊耶那美命 16 「妻よ。あなたがそんなひどいこと をするなら、わしは一日に千五百人 のこどもをうむぞ」 こんなわけで、この世では、一日に 千人がなくなり、千五百人のこども が生まれるようになりました。 その後。 伊耶那美命は黄泉津大神…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命と伊耶那美命 15 伊耶那岐命は、助けてくれた桃に、 意富加牟豆美命(おおかむずみの みこと)と名づけました。 ほっとしていると、今度は妻が追 ってきました。 伊耶那岐命は、千引の岩をひっぱ ってきて、黄泉比良坂をぴたっと ふさぎました。…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命と伊耶那美命 14 黄泉比良坂(黄泉国と葦原中国とを へだてる坂)のふもとにたどりつい た時、桃の木が目につきました。 伊耶那岐命は、桃の実を三個とると、 黄泉国の軍勢に向かって、力いっぱ い投げつけました。 すると、軍勢たちは、桃の実…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命と伊耶那美命 13 伊耶那岐命は、右のみずらにさして いた櫛の歯を折り、投げ捨てました。 すると、今度は竹の子が頭を出しま した。 醜女が竹の子を食べている間に、伊 耶那岐命はどんどん逃げました。 伊耶那美命は、醜女だけでなく、体 につい…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命と伊耶那美命 12 「あの男を追いかけていき、つか まえてきなさい」 大声で、醜女(しこめ)に命じま した。 醜女が、すごい勢いで追いかけて きます。 伊耶那岐命は、黒い髪飾りをとり、 醜女に向かって投げつけました。 すると、たくさんの山…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命と伊耶那美命 11 その上、頭・胸・腹・女隠・左手・ 右手・左足・右足には、恐ろしい顔 をした八つの雷神が。 そんな妻の姿をみた伊耶那岐命は、 「あっ」と大声をあげ逃げ出しました。 「みないでねとあれほどお願いした のに・・・。あなたは…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命と伊耶那美命 10 どの位の時間がすぎたのでしょうか。 長い時間がすぎました。 でも、妻は出てきません。 待ちくたびれた伊耶那岐命は、左の みずらにさしていた櫛の歯を一本折 り、櫛の歯に火をともすと、真っ暗 な御殿の中へ入って行きました…

古事記神話「古事記物語」

伊耶那岐命と伊耶那美命 9 「愛しい妻よ。あなたとわしで作 っている国は、まだ完成していない。 だから、帰ってきておくれ」 「残念です。あなたが早く迎えに来 てくれないので、私は黄泉の国のか まどで煮た物を食べてしまいました。 でも、あなたが迎え…