2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ばら園のばら

「花のほほえみ」より ばら

竜の姿をみた少女

竜の姿をみた少女7 「この世に、竜なんているはず ないじゃん」 「かなちゃん。湖に竜がいると 思っているの。馬鹿みたい」 友だちは、みんなそういいます。 「となりのかなちゃんは、しら かば湖に竜がいると信じている ようだわ」 「この世に、竜なんてい…

ばら園のばら

「花のほほえみ」より ばら

竜の姿をみた少女

竜の姿をみた少女6 「とうちゃん。竜って、どんな 姿をしているの」 「さあ、どんな姿をしているの だろうね。 大きな角があるとか、たくさん うろこがついているとか、美し い玉を持っているとかいわれて いるが、とうちゃんにもわから ない。 今夜、竜の…

竜の姿をみた少女

竜の姿をみた少女5 地の国の生活は、夢のような生 活でしたが、三郎は愛する妻の ことを忘れることができません でした。 三郎は、神様に許しをもらい、 千日かけて、やっとの思いで村 へもどってきました。 ところが、三郎は、なぜか竜に なっていたのです…

トラフシジミ

「花のほほえみ」より トラフシジミ

竜の姿をみた少女

竜の姿をみた少女4 その村に、太郎・次郎・三郎と いう、仲のいい兄弟が住んでい ました。 兄たちは、末っ子の三郎を、「三 郎や、三郎や」といってかわい がっています。 三郎も、兄たちが大好きでした。 ところが・・・。 三郎があまりに美しい妻をもらっ…

ばら園のばら

「花のほほえみ」より ばら

竜の姿をみた少女

竜の姿をみた少女3 「竜に? とうちゃん。しらかば 湖に、竜がいるって、ほんとう?」 「さあなぁ。村には、竜がいると いういいつたえがあるが、竜の姿 をみた人はだれもいないからね。 でも、しらかば湖には、竜がいる かもしれないよ」 おとうさんは、夢…

ばら園のばら

「花のほほえみ」より ばら

竜の姿をみた少女

竜の姿をみた少女2 でも、湖のまわりにはだれもい ません。 「とうちゃん。今、なにか声が 聞こえなかった?」 「いやー、なにも。なにか聞こ えたかい」 「おっかあ、おっかあーという 声が、聞こえたの」 「そうか。とうちゃんも、しら かば湖でつりをし…

ばら園のばら

「花のほほえみ」より ばら

竜の姿をみた少女

竜の姿をみた少女1 たてしな山は、「諏訪富士」と もよばれ、大昔から佐久や諏訪 の人々に愛されてきました。 山のふもとに、美しい湖があり ます。 湖の名前は、しらかば湖。 音無川をせきとめてつくられた 湖でした。 一月末のある日。 かなは、おとうさ…

ばら園のばら

「花のほほえみ」より ばら

童話集「竜の姿をみた少女」

昨年12月、「鳥影社」から、 みほようこの五冊目の童話集 「竜の姿をみた少女」が、発行さ れました。 ビーケーワン・アマゾン・楽天・ 紀伊国屋書店・ジュンク堂などで、 本を発売中。 全国の公立図書館でも、たくさん 本を購入していただきました。 童話…

ばら園のばら

「花のほほえみ」より ばら

かきつばたになった少女

かきつばたになった少女25 「かきつばたは、ほんとうに美 しい少女だったけれど、花にな っても美しいのね」 そういいながら、女神さまたち はかきつばたの花をめでるので した。 沼のほとりにたたずみ、かきつ ばたの花をみていると、「山彦 さーん、山彦…

ばら園のばら

「花のほほえみ」より ばら

かきつばたになった少女

かきつばたになった少女24 かきつばたがなくなってから、 ニ千年の月日がすぎました。 夏になると、八島の湿原には、 何百本ものかきつばたの花が咲 きます。 かきつばたがなくなった後、二 度とこんな悲しいできごとがお きないように、神様のいいつけ で…

りゅうのひみつ日記

7月20日 よんだ[植物]ばら園のばらを読んだ 花がほほえむんだよ おしまい ばら園のばら http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100720#p1 信州・高遠しんわの丘のばら園のばら http://f.hatena.ne.jp/youko510/t/%E3%81%B0%E3%82%89 http://f.hatena.ne.jp/do…

ばら園のばら

「花のほほえみ」より ばら

かきつばたになった少女

かきつばたになった少女23 「かきつばたさんが、紫色の花 になったのかな?」 山彦は、ふとそう思いました。 すると・・・。 「山彦さん、こんにちは。 ひさしぶりね。私、この紫の花に 生まれ変わったの。 山彦さん、この花はなんという花 か知っている?…

ばら園のばら

「花のほほえみ」より ばら

かきつばたになった少女

かきつばたになった少女22 かきつばたのおとうさんとおかあ さんも、大切な娘と愛する妹をな くし、がっくりしていました。 二人は、毎日霧ケ峰へ行き、かきつ ばたをさがして歩きました。 「かきつばた、かきつばたー。 どこにいるのー」とさけびながら。 …

べにしじみ

「花のほほえみ」より べにしじみ

かきつばたになった少女

かきつばたになった少女21 かきつばたがいなくなったことを 知ったおばさまは、かきつばたの ことを心配しました。 「私が山彦のことを話さなければ、 かきつばたは霧ケ峰へ行くこともな かっただろうに・・・」 おばさまは、若き日の思い出をかき つばたに…

トラフシジミ

「花のほほえみ」より トラフシジミ

かきつばたになった少女

かきつばたになった少女20 山彦がはっと気がついた時、かき つばたの姿は消えていました。 「かきつばたさんはどこへ行って しまったのだろう?」 びっくりした山彦は、「かきつば たさーん、かきつばたさーん」と さけびながら、広い高原をさがし まわり…

ばら園のばら

「花のほほえみ」より ばら

かきつばたになった少女

かきつばたになった少女19 「そんなことはない。 きみの顔は、女神さまのように 美しい。 まぶしいくらいの美しさだ」 「山彦さん、おせじをいわないで」 「ほんとうだよ。きみの顔は、な んともいえないやさしい顔だ。 きみの心のやさしさが、そのまま 顔…