2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

古事記神話「古事記物語」

天孫降臨 5 そして、天照大御神は、思金神・ 手力男神・天石門別神にも、瓊瓊 芸命と一緒に降りていくように命 じました。 瓊瓊芸命たちは、高天原を後にし て、八重にたなびく雲を押し分け、 天の浮橋の上に立ちました。 そこから、筑紫の日向の高千穂の …

古事記神話「古事記物語」

天孫降臨 4 天宇受売神は、その旨を天照大御 神に伝えました。 瓊瓊芸命は、天児屋命(あめのこ やのみこと)・布刀玉命(ふとたま のみこと)・天宇受売神・伊斯許 理度売命(いしこりどめのみこと)・ 玉祖命(たまのおやのみこと)、 合わせて五人の部族…

古事記神話「古事記物語」

天孫降臨 3 天照大御神は、天宇受売神(あめ のうずめのかみ)をよび命じました。 「おまえはか弱い女だが、どんな神 と向かいあってもびくともしない。 だから、おまえに命じる。一人で降 りて行き、わが国の御子が降りてい こうとしている道で何をしてい…

古事記神話「古事記物語」

天孫降臨 2 瓊瓊芸命は、天忍穂耳命と高御産 巣日神の娘・豊秋津師比売(とよ あきつしひめ)との間に生まれた こどもでした。 数年後。 「瓊瓊芸命よ。葦原中国は、あな たが治めるべき国ですよ。天降り て行き、葦原中国をおさめなさい」 天照大御神は、…

古事記神話「古事記物語」

天孫降臨 1 「やっと葦原中国を平定すること ができました。葦原中国へ天降り し、あなたがあの国をおさめなさい」 天照大御神は、長男の天忍穂耳 命(あめのおしほみみのみこと) に命じました。 すると、天忍穂耳命がいいました。 「葦原中国へ降りて行く…

古事記神話「古事記物語」

国譲り 13 国譲りの条件として、多芸志の小 浜に建てられた巨大な出雲大社。 その社にまつられている大国主命 は、今どんな気持でいるのでしょ うか。 何十年もの長い年月をかけて、人々 とともに苦労してつくった葦原中国。 その国を、天照大御神の御子に…

古事記神話「古事記物語」

国譲り 12 柴垣の中へ隠れ、二度と姿をみせ ない事代主神がどうなったのか、 それもわかりません。 諏訪へ逃げた建御名方神だけは、 諏訪の地で生きのびることができ ました。 建御名方神は、妃の八坂刀売神や こどもたちともに、諏訪の人々が 暮らしやす…

古事記神話「古事記物語」

国譲り 11 建御雷神たちは高天原へもどり、 天照大御神に報告しました。 「やっと大国主命を説得すること ができました。葦原中国は、天照 大御神の御子の国になりました」と。 国譲りの後、大国主命がどうなっ たのか、誰も知りません。 国譲りの直後、潔…

古事記神話「古事記物語」

国譲り 10 「二人のこどもがいうように、わ しも背きません。この国を、天照 大御神の御子に譲りましょう。一 つだけ条件がある。わしが住む宮 殿は、天照大御神の御子が住んで いるような立派なものを建ててほ しい。 そうすれば、わしは出雲のはての 地…

古事記神話「古事記物語」

国譲り 9 とうとう信濃の国の諏訪湖まで追 ってきました。 建御名方神を殺そうとした時、 「どうか殺さないでください。わし は、諏訪以外、どこへも行きませ ん。父上にも、事代主神にも背き ません。葦原中国は、天照大御神 の御子に譲ります」といいまし…

古事記神話「古事記物語」

国譲り 8 建御雷神(たけみかずちのかみ)の 手をとると、建御雷神は手を氷柱に かえ、その後鋭い剣の刃にかえました。 建御名方神は驚き、後へひきさがり ました。 建御雷神(たけみかずちのかみ)は 建御名方神の手をとると、葦の若葉 をつまむようににぎ…

古事記神話「古事記物語」

国譲り 7 「今、おまえの子・事代主神は、 この国を天照大御神の御子に譲 ったらどうでしょうかといった。 他に、反対するものはいるのか」 「もう一人、建御名方神(たけみ なかたのかみ)がいる。こどもは おおぜいるが、他には逆らう者は おりません」 …

古事記神話「古事記物語」

国譲り 6 そして、大声で返事をしました。 「父上。この国を、天照大御神の 御子に譲ったらどうでしょうか」 そういうと、言代主神はのってき た船をふんでかたむけ、天の逆手 を打ちました。 すると、その船は青々した柴垣に なりました。 言代主神は、大…

古事記神話「古事記物語」

国譲り 5 偉大な霊能力を持っている言代主 神は、高天原から何人もの使者が やってきて、「葦原中国を譲れ」とせ まることに、うんざりしていました。 今度ことわっても、「譲ります」と いうまで、何度でもやってくるにち がいないと思いました。 言代主神…

古事記神話「古事記物語」

国譲り 8 「わしからは返事ができない。わ が子の言代主神(ことしろぬしの かみ)が返事をするだろう」 「言代主神は、どこにいるのだ」 「今、言代主神は、魚や鳥をとり に、御大の岬へ行っている」 天鳥舟神(あめのとりふねのかみ) は御大の岬へ行き、…

古事記神話「古事記物語」

国譲り 7 二神は、出雲のいざさの浜におり ました。 二神はとつかの剣(つるぎ)を抜 くと、波頭に剣をさかさまにつき たて、剣の先にあぐらをかき座り ました。 そして、大国主命と直談判しました。 「わしらは、天照大御神のおつかい でここへやってきた…

古事記神話「古事記物語」

国譲り 6 「天若日子は、八年たってももど ってこない。なぜもどってこない のか」 その理由を聞くためにおくられた のが、雉。 名は、鳴女(なきめ)。 鳴女は桂の木にとまり、天照大御 神のことばを伝えました。 しかし、その鳴女も、天若日子も、 天照大…

古事記神話「古事記物語」

国譲り 5 大国主命は、きっぱりいいました。 何度話し合いをしても、大国主命 の気持はかわりません。 三年たっても、天菩比神は高天原 へもどることができませんでした。 次につかわされたのは、天若日子 (あめわかひこ)。 天照大御神は、立派な弓と矢を…

古事記神話「古事記物語」

国譲り 4 相談の結果、つかわされたのが、天 菩比神(あめのほひのかみ)。 「そちが治めている葦原中国は、天 照大御神の御子が治めるべき国であ る。この国を御子に譲っていただき たい」 「わしは、義父の須佐之男命が治め ていた国を引き継ぎ、何十年も…

古事記神話「古事記物語」

国譲り 3 その様子をみた天忍穂耳命は、高 天原へもどり天照大御神に報告し ました。 「葦原中国は、荒ぶる神がおおぜ いいて、物騒な国。私には、あの 神たちを説得することはできません」 困った天照大御神は、おおぜいの 神たちを河原に集め、相談しまし…

古事記神話「古事記物語」

国譲り 2 ある日。 天照大御神は、長男の天忍穂耳命 (あめのおしほみみのみこと)を よんでいいました。 「下界の葦原中国は、私の弟や後 を継いだ大国主命が治めている国。 あの国は、あなたが治めるべき国 なのですよ。すぐに下界へ降りて行 き、あの国…

古事記神話「古事記物語」

国譲り 1 天照大御神(あまてらすおおみか み)は、高天原で乱暴をはたらき、 下界へ追放された弟・須佐之男命 (すさのおのみこと)のことを心配 していました。 須佐之男命が治めていた国をひき 継いだのが、大国主命。 その国は、水穂国(みずほのくに)…

古事記神話「古事記物語」

やきもちをやく須勢理比売 5 そして、私の手を枕にして、ゆっく り足をのばしておやすみください。 さあ、お酒を飲んでくださいな。 こんな意味の歌を詠むと、二人は 杯をかわし、夫婦のちぎりをかた めました。 その後。 大国主命と須勢理比売は、今も出 …

古事記神話「古事記物語」

やきもちをやく須勢理比売 4 すると、須勢理比売が大きな杯を とり、大国主命のそばに寄り、杯 を捧げて歌を詠みました。 八千矛神よ、私の大国主命よ。 あなたは男だから、島の岬、港ご とに妻がいるのでしょうね。 私は女ですから、あなた以外に男 はいま…

古事記神話「古事記物語」

やきもちをやく須勢理比売 3 その衣を脱ぎ捨て、山の畑に蒔い た蓼藍で染めた衣をきて、胸元を みる。 そして、袖をあげさげしてみると、 この衣はとてもよく似合っている。 愛しい妻よ。たくさんの鳥が飛び 立つように、わしが大勢のおとも のものに引かれ…

古事記神話「古事記物語」

やきもちをやく須勢理比売 2 大国主命は片手を馬の鞍(くら) にかけ、片足を鐙(あぶみ)に入 れて、こんな歌を詠みました。 黒い衣を着て、水鳥のように胸元 をみる。 そして、鳥が羽ばたくように、袖を あげさげしてみるが似合わない。 波が引いていくよ…

古事記神話「古事記物語」

やきもちをやく須勢理比売 1 大国主命の正妻・須勢理比売(す せりひめ)は、大国主命がよその 国へ行くたびに、その国の美しい 女性を妃にすることが許せません でした。 そんなうわさを耳にするたびに、須 勢理比売はやきもちをやきました。 とくに、越の…