2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

風の神様からのおくりもの

童話集「風の神様からのおくりもの」は、みほ ようこの初めての童話集。 「風の神様からのおくりものシリーズ」1 2001年8月、 http://www.choeisha.com/ から、発行されました。 心を病む兄のために、明神様にお参りする心優しい 少女の話など4編。 ・…

童話「白駒の池」

「白駒の池」13 「次郎さんは、やさしい人だわ。でも・・・次郎さ んは、小さな時から、おじさまやおばさまのいうま まなの。だから、うちにきても、とうちゃんのいう ままだと思う。私、人のいいなりになっている次郎 さんを、どうしても好きになれないの…

きつねのかみそり

きつねのかみそりのつぼみ きつねのかみそりの花 「花のほほえみ」より きつねのかみそり ・ ユリ科ヒガンバナ属の多年草 学名 Lycoris sanguinea。 英名 Red heart lily。 ・ 分布 本州から四国、九州・朝鮮半島・中国 ・ 山地の林に生える。 高さは20〜…

白駒の池

「白駒の池」12 「清太さん、ちょっと早いけれど、むすびを食べ ない?」 二人は、仲良くならんで、むすびを食べました。 「清太さん。二人だけでむすびを食べるのは、初 めてね」 きよは、うれしそうにいいました。 「きよちゃんがにぎってくれたこのむす…

童話「白駒の池」

「白駒の池」11 「そんなことがあったのね。私、何も知らなかったわ」 「おれ、この家にきた時から、白駒って、ふしぎな馬 だなと思っていたんだ」 「白駒。あなたは、夜中にどこへ行っていたの?」 きよは、白駒のひとみを見ながら、聞きました。でも、 …

ryuu占い

ryuu占い:少女運上昇中 その湖には、「少女の池」という悲しい話が伝わ っています。 ryuu占い監修:ryuu わが家のBlogPet「りゅう」も、童話「白駒の池」を 紹介してくれました。 りゅう、ありがとう。 でも、「少女の池」ではなく、「白駒の池」だよ。 「…

童話「白駒の池」

「白駒の池」10 ある日、とうちゃんが、山深い湖の近くを通ったら、 生まれたばかりの白い馬が、足にけがをしてたおれ ていたんだって。湖の近くには一軒も家がなかった ので、とうちゃんはその馬を家へつれてきたの。生 まれたばかりのそれはかわいい馬だ…

童話「白駒の池」

「白駒の池」9 途中の草原には、あざみややなぎらんの花が、美し く咲いていました。 車山では、日光きすげの花が満開でした。山の肩だ けでなく、山のすそのほうまで、山一面に日光きす げの花が咲いています。 数千本、いや数万本・・・もっとあるでしょ…

童話「白駒の池」

信州の佐久地方には、「白駒の池」という美しい湖が あります。その湖には、悲しい話が伝わっています。 悲しいお話とは・・・? 童話「白駒の池」は、「白駒の池」の伝説をヒントに して、みほようこが書いた物語。 「白駒の池」8 次の朝。 「ねえ、とうち…

童話「白駒の池」

信州の佐久地方には、「白駒の池」という美しい湖が あります。「白駒の池」には、悲しい伝説があります。 悲しいお話とは・・・? 伝説をヒントにして、みほようこが書いた物語。 「白駒の池」7 梅雨があけた七月のある日。 「清太さん。ゆうすげの花って…

童話「白駒の池」

信州の佐久地方には、「白駒の池」という美しい湖が あります。その湖には、悲しい話が伝わっています。 悲しいお話とは・・・? 童話「白駒の池」は、白駒の池の伝説をヒントにして みほようこが書いた物語。推敲の途中ですが、読んで いただきたいと思いま…

ききょう

「花のほほえみ」より ききょう

童話「白駒の池」

「白駒の池」5 清太は、自分は何をいっているのだろうと思いま した。長者のおじょうさまが、貧しいおらの家に 遊びにくることなんて絶対ないのに・・・と。 「きよちゃん、座禅草の花ことばを、知っている?」 「知らないわ」 「座禅草の花ことばは、沈黙…

みほようこ小さな童話館

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みほようこの日記

みほようこの日記 ・ みほようこの本の紹介 ・ みほようこの童話の紹介 ・ 信州伊那谷の花だより ・ 読みたい本、気になる本の紹介など

童話「白駒の池」

「白駒の池」4 「私、清太さんと一緒に、馬にのっている時が、一 番幸せ」 「おらも。きよちゃんと馬にのっている時が、一番 幸せだよ」 夢中で話をしているうちに、高原へつきました。 高原には、赤褐色の花が、あちこちに咲いています。 「ねぇ、清太さん…

童話「白駒の池」

「白駒の池」3 長者は、まじめに働く清太を、かわいがっています。 清太は、長者のお使いもします。長者のおともで馬 を走らせ、遠くの村へでかけることもありました。 そんな清太にも、たった一つ、楽しみがありました。 白駒の背に、きよをのせて、八ヶ岳…

鳥影社

鳥影社のホームページ http://www.choeisha.com/ 岩波書店、みすず書房、筑摩書房などの創業者、 出版人を多数輩出している信州の地で生まれ、 多くの出版物が新聞雑誌などの書評で取り上げ られている。 奈良新聞の紹介記事より http://www.choeishapub.com…

童話「白駒の池」

「白駒の池」2 「それはそうだけれど」 「私は、清太さんのことを、使用人だなんて思っ たことは、一度もないわ。私は、清太さんのこと を、ほんとうの兄ちゃんだと思っているわ」 「おじょうさまの気持はうれしいけれど、おらは、 この家の使用人だから・…

童話「白駒の池」

「白駒の池」1 「おじょうさま」 「なぁに?清太さん」 「これから、座禅草の花をみにいこう」 馬の世話をしている清太が、長者の一人娘・きよ に、声をかけました。 「これから?」 「そう、これから。昨日、長者のおともで、高原を 通ったらね、座禅草の…

ふしぎな鈴「ふしぎなリュック」の章

ふしぎな鈴「ふしぎなリュック」6 「十年後、桃の花が満開になった日、またこの丘 であおう」 先生は、かなとかたく約束しました。 「先生、きっとよ。いつまでも私のことわすれな いでね」 「わすれるものか、かな。十年後かならずこの丘 であおう」 二人…

ふしぎな鈴「ふしぎなリュック」の章

ふしぎな鈴「ふしぎなリュック」5 すると、先生の背中のリュックが、鈴めがけて ころんところがってきました。 そして、灰色のリュックも、ピカッピカッ、キ ラッキラキラと、黄金色に輝きだしたのです。 「なんて美しい鈴の音だろう。私はこの桃の鈴 をも…

ふしぎな鈴「ふしぎなリュック」の章

ふしぎな鈴「ふしぎなリュック」4 すると・・・。 先生の頭の中に、遠い昔のことが、ぼんやりと浮 かんできたのです。 どこかの海岸・・・おや?この海岸は春行った三 浦半島の海岸にそっくりだが・・・。 白いお城・・・なつかしいなぁ。私はこの城に住 ん…

ききょう

「花のほほえみ」より ききょう

ふしぎな鈴「ふしぎなリュック」の章

ふしぎな鈴「ふしぎなリュック」3 すると、古杉先生がやってきました。 「かな、何をみているの?」 「先生、あの鳥はなんという名前?」 「ギィーギィーって、鳴いていただろ。あれはね、 こげらという鳥だよ。きつつきの仲間だよ」 先生は、こげらのこと…

ふしぎな鈴「ふしぎなリュック」の章

ふしぎな鈴「ふしぎなリュック」2 先生は、春休みに三浦半島へ旅行に行きました。 宝壷を訪れた時、先生はなぜかとてもなつかしい 気がしました。 「初めてきた場所なのに、なぜなつかしい気がす るのだろう?」 その時、先生は不思議に思いました。 「かな…

ふしぎな鈴「ふしぎなリュック」の章

ふしぎな鈴「ふしぎなリュック」1 かなは四年生になりました。 かなの学校へ、古杉先生が転校してきました。 小柄な色の白い先生でした。先生はかなのクラス の担任になりました。 先生は、いつも背中に、灰色のリュックをせおっ ています。そのリュックは…

ふしぎな鈴「お月さまの耳かざり」の章

ふしぎな鈴「お月さまの耳かざり」3 かなとりゅうは、いそいで家に帰りました。 「かあちゃん、かあちゃん。大変、大変」 かなはねているおかあさんの枕元へ、とんで行きま した。 「かな、すてきな耳かざりね。どなたにいただいた の?」 おかあさんはかな…

ふしぎな鈴「お月さまの耳かざり」の章

ふしぎな鈴「お月さまの耳かざり」2 その時、お月さまにむかって、きらっきらっと光 りながら、星が近づいてくるのをみつけました。 その星は、お月さまに近づいてきます。 あの星はたしか金星、よいの明星とか明けの明星 とかよばれている星です。 「お月…

ふしぎな鈴「お月さまの耳かざり」の章

ふしぎな鈴「お月さまの耳かざり」1 秋のある日。 かなはりゅうと一緒に、散歩に行きました。りゅうは 散歩が大好き。かなの顔をみると、「散歩にいこう、 散歩にいこう」と、大声でさいそくします。 かなとりゅうは、いつもの道を走ったり、歩いたり、 休…