2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

花のほほえみ

どうだんつつじ

火とぼし山

[童話]火とぼし山 火とぼし山 67 湖を泳ぐ娘 13 「きよちゃん。今、野良の仕事が忙しい。だか ら、無理だよ」 「そんなことをいって、次郎さんは私と会うの がいやになったんじゃないの」 きよがさみしそうにいいました。 「考えすぎだよ」 「じゃあ、…

花のほほえみ

ぼたんのつぼみ

火とぼし山

[童話]火とぼし山 火とぼし山 66 湖を泳ぐ娘 12 次郎は、自分の気持をコントロールすること ができなくなっていました。 そのため、きよの話を聞いていませんでした。 「次郎さん。ぼんやりして、どうしたの。具 合でも悪いの」 きよが、心配して聞き…

花のほほえみ

岩山つつじ

花のほほえみ

日本水仙

火とぼし山

[童話]火とぼし山 火とぼし山 65 湖を泳ぐ娘 11 そういえば、きよちゃんが持ってくるとっくり は、驚くほど熱い。 きよちゃんの手は、たしかに熱いけれど、あの とっくりの熱さは異常だ。 次郎の心の中で、きよに対する疑いがどんどん ふくらんでいき…

花のほほえみ

白しゃくなげ

火とぼし山

[童話]火とぼし山 火とぼし山 64 湖を泳ぐ娘 10 「今夜は、きよちゃんの話についていけない」 次郎は、心の中でそっとつぶやきました。 きよちゃんが、いくら泳ぎが達者でも、こん なに早く湖を泳いでくるなんておかしい。 どう考えても、変だ。 きよ…

花のほほえみ

むすかり

火とぼし山

[童話]火とぼし山 火とぼし山 63 湖を泳ぐ娘 9 「きよちゃんは、いつもそんなふうに祈って いるの」 「祈っているわ。次郎さんのことも、元気で 暮らせますようにと、毎日祈っている」 きよのことばを聞き、次郎は思いました。 おらは、暗い夜道を、何…

花のほほえみ

日本水仙

火とぼし山

[童話]火とぼし山 火とぼし山 62 湖を泳ぐ娘 8 その後。 きよが、次郎の所へたどりつく時間が、だん だんに早くなりました。 会うたびに、十分二十分と、早くなっていっ たのです。 「きよちゃん。今夜は、ずいぶん早かったね。 いつもより早く家をでた…

花のほほえみ

白やまぶき

火とぼし山

[童話]火とぼし山 火とぼし山 61 湖を泳ぐ娘 7 そして、「きよちゃんは、おらがともす火を 目印に、ここへたどりついているのだな」と、 次郎は思いました。 「次郎さん、魚よ」 「魚?」 「泳いでいる途中、つかまえたの。後で焼い て食べよう」 きよ…

花のほほえみ

日本水仙

火とぼし山

[童話]火とぼし山 火とぼし山 60 湖を泳ぐ娘 6 「だいじょうぶ、次郎さん。気をつけて 泳ぐから。今夜は明るかったから、泳ぎ やすかったわ。湖の水が、きらきら光っ て、とてもきれいだった」 きよがいいました。 「きよちゃん。いくら明るくても、昼…

花のほほえみ

カナダおだまき

花のほほえみ

鈴蘭水仙

火とぼし山

[童話]火とぼし山 火とぼし山 59 湖を泳ぐ娘 5 「無事に、湖をわたり終えますように」と 祈りながら。 「次郎さん、こんばんは」 「きよちゃん。今夜は、ずいぶん早かった ね。どうしたの」 「私、湖を泳いできたの」 「えっ、湖を?」 次郎は、驚いて…

花のほほえみ

火とぼし山

[童話]火とぼし山 火とぼし山 58 湖を泳ぐ娘 4 すると・・・。 「あっ、次郎さんだ。約束通り、火をたい てくれたのね。ありがとう、次郎さん。今、 行くからねー」 きよが、大声でさけびました。 みると、西の山に、小さな火がともってい ます。 「あ…

花のほほえみ

火とぼし山

[童話]火とぼし山 火とぼし山 57 湖を泳ぐ娘 3 「私には、きよの気持が、よくわかるわ。 危険をおかしてまでも、一分でも早く、大 好きな人に会いたいという気持。男のあな たには、わからないでしょうね」 手長がいいました。 「わしにだって、わかる…

花のほほえみ

カナダおだまき

火とぼし山

[童話]火とぼし山 火とぼし山 56 湖を泳ぐ娘 2 月あかりに照らされてみえたもの、それは 湖を泳いでいる娘の姿でした。 娘は、頭に荷物をのせ泳いでいます。 「どこの娘じゃろ」 近づいてみると、きよでした。 「誰かと思ったら、きよか。湖に氷がはれ …

花のほほえみ

片栗

火とぼし山

[童話]火とぼし山 火とぼし山 55 湖を泳ぐ娘 1 月のきれいな夜でした。 手長と足長は、諏訪湖で魚をとっていました。 手長は、魚をとるのが上手でした。 今夜も、大きな鯉を三匹もつかまえました。 「ねえ、あなた。明日の朝、この鯉を明神さ まに届け…

花のほほえみ

火とぼし山

[童話]火とぼし山 火とぼし山 54 次郎の見合い 14 「次郎よ。わしが、きよとおまえの姿をみた のは、諏訪湖に氷がはっている頃だった。あ れからまだ何ヶ月もたっていない。それなの に、これは一体どういうことなのじゃ。次郎、 おまえのことをいちず…