2002-01-01から1年間の記事一覧

女神さまとの約束

女神さまとの約束 8 秋になり、硫黄岳の木々も、赤や黄色に 紅葉しはじめました。 そんなある日。 「白駒、おねがい。私を家につれていって」 「福さん。女神さまとの約束を、忘れた のですか。女神さまとの約束をやぶると、 大変なことになりますよ」 「大変…

女神さまとの約束

女神さまとの約束

女神さまとの約束 7 「じゃあ、ここへつれてくる人を、どう やって選ぶの?」 「女神さまは、神さまを信じている、心 のやさしい人を選ぶようですよ」 白駒は、そういいました。 一本だけだった黄金色の花も、今では十 数本にふえました。岩場からは、新し…

女神さまとの約束

女神さまとの約束

女神さまとの約束 6 白駒は、福の家へもどりました。 そして、あっという間に、長者をつれて もどってきました。 「おお、これが黄金色の花か。美しい花 だね」 長者は、ぴかぴか光っている花をみて、 驚きました。 「とうちゃん、早く手と足を湯の中へ入 …

女神さまとの約束

女神さまとの約束

女神さまとの約束 5 福と白駒は、再び黄金色の花をさがし て歩きました。 今度は、馬からおりて、岩の裏までて いねいにさがしました。 それでも、黄金色の花はみつかりません。 あきらめて帰ろうとした時、硫黄岳の けわしい岩場の方から、かいだことの な…

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女神さまとの約束

女神さまとの約束 4 からまつ林を通ると、るりびたきの声 も聞こえます。 福と白駒は、道なき道を登ったりおり たりして、黄金色の花をさがしました。 しかし、どこをさがしても、黄金色の 花などありません。 次は、根石岳をさがしました。 でも、花はみつ…

女神さまとの約束

女神さまとの約束

女神さまとの約束 3 黄金色の花が、早くみつかるとよいで すね。 八ヶ岳の女神より」 手紙には、そう書いてありました。 大雪の夜、福の家に泊まった女の人は、 八ヶ岳の女神さまだったのです。 「やはり、あのかたは女神さまだったのね」 福は、そっとつぶ…

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女神さまとの約束

女神さまとの約束 2 「大雪の夜、あの人はどこへ行くつもりだ ったのだろう?」 福は、女の人のことが気になってしかたが ありません。 「貧しいみなりをしていたけれど、女神さ まのように美しい人だったね。どこのかた かしら」 長者と福は、時々、大雪の…

女神さまとの約束

女神さまとの約束

女神さまとの約束 1 昔、むかし、ずぅーと昔。 八ヶ岳のふもとの高原には、おおぜいの女神 さまたちが住んでいました。 「八ヶ岳には、黄金のように光る美しい花が 咲いている」 そんなうわさが、ふもとの村に流れていまし た。 よし、おらが黄金色の花をみ…

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