2016-12-01から1ヶ月間の記事一覧

古事記神話「古事記物語」

大国主命の試練 7 二度の試練を無事にきりぬけた大 国主命をみて、「しぶといやつじゃ。 よーし、今度こそみておれ」と、命 は次の計画を立てました。 命は、草がぼうぼう茂っている広 い野原へ、大国主命をつれていき ました。 命は、かぶら矢をかまえると…

古事記神話「古事記物語」

大国主命の試練 6 その日の夜。 命は、むかでと蜂がいっぱい入っ ている室へ、大国主命をつれてい きました。 「今夜は、ここで寝るがいい」 それを聞いた須勢理比売は、命に みつからないように、別の首飾り のひれを、そっと大国主命に渡し ました。 大国…

古事記神話「古事記物語」

大国主命の試練 5 蛇が嫌いな大国主命は、気絶しそ うでした。 夢中で、ひれを三度ふりました。 すると、蛇たちは急におとなしく なり、部屋のすみへひきさがって いきました。 その後。蛇たちは、二度と大国主 命にむかってくることはありませ んでした。 …

古事記神話「古事記物語」

大国主命の試練 4 「今夜は、ここで寝るがいい」 「えっ、ここで・・・」 「そうじゃ」 命は、はきすてるようにいうと、さ っさと室をでていってしまいました。 心のやさしい須勢理比売は、大国主 命を気の毒に思い、比札といって肩 かけのようなきれをそっ…

古事記神話「古事記物語」

大国主命の試練 3 「娘は、この青年が気にいったの だな」 しかし、命は、大国主命をみてい るうちに、だんだん腹がたってき ました。 「気にいらん」 命は、小声でつぶやきました。 「こんな男に、だいじな娘をとら れてたまるか」 そう思った命は、大国主…

古事記神話「古事記物語」

大国主命の試練 2 「お父さま。玄関に、美しい青 年が訪ねてきています」 「何、美しい青年だと」 命は玄関へ行き、大国主命をじ ろりと観察しました。 玄関に立っていたのは、清らか な瞳をした好青年でした。 「大国主命でございます」 「おまえが、大国…

古事記神話「古事記物語」

大国主命の試練 1 大国主命は、木国の大屋毘古神 (おおやびこのかみ)を訪ね、地 底の国・根之堅州国(ねのかたす くに)へ行く道を教えてもらいま した。 やっと根之堅州国へ着きました。 「須佐之男命さまのお宅でしょうか」 「はい、そうですが」 出て…

古事記神話「古事記物語」

赤い猪 7 「これ以上、おまえをここにおい ておくわけにはいかない。すぐに、 須佐之男命(すさのおのみこと)さ まが住んでいる根之堅州国(ねの かたすくに)へ逃げなさい。 そうすれば、須佐之男命さまがい いようにとりはからってくれるで しょう。根之…

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赤い猪 6 おかあさんは、大国主命の姿がみ えないので、あちこち探して歩き ました。 おかあさんは、山の中で、木の切 れ目にはさまれ死んでいる大国主 命をみつけました。 急いで切れ目を切り開き、大国主 命をひきずり出すと、一生けんめ い看病しました…

古事記神話「古事記物語」

赤い猪 5 すると・・・。 ふしぎなことに、大国主命の重い やけどがなおり、元通りの美しい 青年に生まれ変わりました。 その様子を遠くからみていた八十 神たちは、「生き返ったのか」と くやしがりました。 八十神たちは、大国主命を殺そう と、再び相談…

古事記神話「古事記物語」

赤い猪 4 神産巣日神は、蚶貝比売(きさがい ひめ)・蛤貝比売(うむがいひめ) と名のついた赤貝と蛤を呼び、下界 へ送りました。 二人は、蘇生の特殊能力を持ってい る女神でした。 二人が下界へつくと、大国主命はま っ黒こげになって倒れていました。 …

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赤い猪 3 「あっ」 声をあげた時には、大国主命の体 は、赤く焼けた石のはだにこびり ついてしまいました。 大国主命は、焼け死んでしまった のです。 そのことを知った大国主命のおか あさんは、嘆き悲しみました。 泣きながら大空へかけのぼってい き、高…

古事記神話「古事記物語」

赤い猪 2 頂上へ着いた八十神たちは、木の 枝をたくさん集め、大きな火をた きました。 そして、火の中へ、猪の形をした 大きな石を投げこみました。 しばらくすると、石が真っ赤に焼 けました。 「それー、猪だ。つかまえろー」 八十神たちは、真っ赤に焼…

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赤い猪 1 八十神たちは、大国主命を殺そうと、 伯岐(ほうき)の国手間の山へつれ ていきました。 「この山には、赤い猪がいる」 「赤い猪?」 「そうだ、赤い猪だ。わしらが山の 上から猪を追い落とすから、おまえ は下にいて、猪をつかまえろ。もし 猪を…

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稲羽のしろうさぎ 8 八十神たちは、八上比売のやしき につきました。 八十神たちは、かわるがわる「私 のお嫁さんになってください」と、 求婚しました。 ところが・・・八上比売は、 「私は、あなたたちの妻にはなり ません。私は、あの大きな袋を背 負っ…

古事記神話「古事記物語」

稲羽のしろうさぎ 7 うさぎの話を聞いた大国主命は、 かわいそうに思いました。 「川口へ行き、真水で体をよく洗 いなさい。そして、蒲の穂をたく さん集め、蒲の花粉の上で寝ころ んでいなさい。そうすれば、すぐ よくなるだろう」と、教えてやり ました。…

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稲羽のしろうさぎ 6 そして、もう一足で岸へあがろう とした時、ゆだんして大声でさけ んでしまったのです。 「やーい、やい。まぬけな鰐め。 うまくだまされたな。わしは、た だ本土へ渡りたかっただけだ」と。 すると、最後に並んでいた鰐が怒っ て、いき…

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稲羽のしろうさぎ 5 「どうやって、鰐をだましたのじゃ」 「おまえとわしの仲間、どちらが多 いか、比べてみようじゃないか。あ の気多の岬まで、一列に並んでごら ん。そうすれば、わしが数を数えて やるから」 鰐にそういったのです。 鰐たちはすっかりだ…

古事記神話「古事記物語」

稲羽のしろうさぎ 4 ところが・・・。 海の水がかわくにつれ、体中の皮 がひきつり、びりびりさけました。 うさぎは、ひりひりする痛みにたえ かね、「痛いよ、痛いよー」とない ています。 そこへ通りかかったのが、大国主命。 「うさぎよ、なぜ泣いている…

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稲羽のしろうさぎ 3 八十神たちが、稲羽の気多(けた) 海岸を通りかかると、毛のない赤 はだかのうさぎが、地べたにころ がり苦しんでいました。 それをみた八十神たちは、 「うさぎよ。毛をはやしたければ、 海の水につかり、高い山の上で風 に吹かれて寝…

古事記神話「古事記物語」

稲羽のしろうさぎ 2 ある日。 八十神たちは、稲羽(いなば)の 国に、八上比売(やかみひめ)と いう美しい女性がいると聞き、求 婚するため稲羽の国へでかけま した。 「わしらの荷物を持って、後から ついてこい」 八十神たちは、大国主命に命じま した。…

古事記神話「古事記物語」

大国主命 稲羽のしろうさぎ 1 大国主命(おおくにぬしのみこと) には、八十神といって、おおぜいの 兄弟がいました。 大国主命は、天之冬布(あめのふゆ きぬ)と刺国若比売(さしくにわか ひめ)の末っ子でした。 大国主命には、他に四つの名前があ りま…

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八岐大蛇 9 命は、出雲の国に、櫛名田比売と 暮らすための宮殿をつくろうと、 宮殿を建てる場所を探して歩きま した。 須賀の地が気にいった命は、その 地に立派な宮殿を建てました。 その時、雲がもくもくと立ちあが ったそうです。 その時に、命が詠んだ…

古事記神話「古事記物語」

八岐大蛇 8 「何にあたったのだろう」 命が尾を切り開いてみると、立派 な太刀が出てきました。 後日。 命は、その太刀を、天照大御神に 献上しました。 その太刀が、日本武命が火ぜめに あった時、草をなぎはらったとい う「草薙の剣」なのです。 八岐大蛇…

古事記神話「古事記物語」

八岐大蛇 7 八岐大蛇は、八つの酒桶に頭をつっ こむと、うまそうに酒を飲み始めま した。 酒を飲みよっぱらった八岐大蛇は、 「どでーん」という大きな音をたて 倒れてしまいました。 そして「ぐわぁーぐわぁ」と大きな いびきをかき寝てしまいました。 命…

古事記神話「古事記物語」

八岐大蛇 6 老夫婦は、いわれたように強い酒 を造り、八岐大蛇を退治する準備 をしました。 準備ができると、命たちは八岐大 蛇がやってくるのをじっと待ちま した。 数日後。 空一面に黒い雲があらわれたかと 思うと、雷がなりだしました。 ぴかっと稲光も…

古事記神話「古事記物語」

八岐大蛇 5 命は、改めて櫛名田比売(くしな だひめ)の顔をみました。やさし そうな美しい娘でした。 命は、櫛名田比売の肩にそっと手 をかけると、櫛に変身させました。 そして、八岐大蛇にみつからない ように、櫛を自分の髪にさしました。 命は、老夫婦…

古事記神話「古事記物語」

八岐大蛇 4 「そのかわりといってはなんだが・・・、 そちの娘をわしにいただきたい」 「おそれいります。でも、まだあなた の名前を聞いておりませんので」 「わしは、須佐之男命」 「須佐之男命さま?」 「そうだ。高天原にいる天照大御 神(あまてらすお…

古事記神話「古事記物語」

八岐大蛇 3 「八岐大蛇は、どんな姿をしている のだ」 「それはもう恐ろしい怪物で。目は、 ホオズキのように真っ赤。一つの体 に、頭と尾が八つ。体には、桧や杉 の木がはえていて、こけがびっしり。 長さは、八つの谷と八つの山ほど。 腹には血がついてお…

古事記神話「古事記物語」

八岐大蛇 2 中へ入ると、老夫婦が娘を囲み泣 いています。 「おまえたちは、何者じゃ」 「わしは、国津神・大山津見の子 で、足名椎(あしなづち)。妻は、 手名椎(てなづち)。娘は、櫛名 田比売(くしなだひめ)といいます」 「なぜ泣いているのだ」 「…