女神さまとの約束


昨日につづき、「女神さまとの約束」を紹介
します。


    ・ 女神さまとの約束1


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20060405



    ・ その2

http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20060406



    ・ その3

http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20060407




     女神さまとの約束4


白駒とふくは、再び黄金色の花をさがして
あるきました。
今度は、馬からおりて、岩の裏までさがし
ました。それでも、花はみつかりません。



あきらめて帰ろうとした時、硫黄岳のけわ
しい岩場の方から、かいだことのないにお
いがしてきました。
ふくは、そのにおいのする方へ歩いて行き
ました。
大きな岩と岩の間に、さがしていた黄金色
の花が咲いていました。



十センチくらいの美しい花でした。
その花は、太陽にあたり、ぴかっぴかっと
光っています。
「あっ、黄金色の花!!」
ふくは、大声でさけびました。
黄金色の花は、岩と岩との間にできた水た
まりの中に咲いています。
「これが、黄金色の花なのね。なんてきれ
いな花かしら」
ふくは、その花にそっとさわりました。



すると・・・。
どこからか、やさしい声が聞こえてきました。
「ふく、やっと黄金色の花をみつけたのね。
この花は、私からのおくりものです。おとう
さんをこの場所へつれてきて、黄金色の花び
らで、おとうさんの体をやさしくさすってあ
げなさい。そうすれば、おとうさんはじきに
元気になるでしょう。



おとうさんが元気になっても、あなたはここ
にとどまって、病気で苦しんでいる人をすくっ
てくださいね。けっしてこの場所をはなれては
いけませんよ。おとうさんのことは、私が守り
ます。わかりましたか。ふく。私との約束を、
ちゃんと守るのですよ」
女神さまの声でした。
「はい、わかりました」
ふくは、そう答えました。
白駒も、うれしそうに「ひひーん」とないて
います。




水たまりの中に手をいれてみると、なんとあた
たかな湯でした。黄金色の花は、湯の花だった
のです。
ふくと白駒は、あたたかな湯に手と足をひたし
ました。そして、黄金色の花びらを一枚とり、
手と足をさすってみました。
すると、ふしぎなことに、疲れがいっぺんにと
れました。
白駒の体を、花びらでやさしくさすってあげる
と、白駒もたちまち元気になりました。
「さあ、白駒。早く家にもどって、とうちゃん
をここへつれてきてください。おねがいします」
ふくは、白駒にお願いしました。


      つづく