守屋山に黄金色の花が咲いた


童話「守屋山に黄金色の花が咲いた」は、
みほようこの初めての童話集・「風の神
様からのおくりもの」に収録されていま
す。



  心のやさしい少女は、守屋山で
  黄金色の花をみつけることがで
  きるでしょうか。



今日は、「守屋山に黄金色の花が咲い
た」の一部分を紹介します。



「少女よ、少女よ。目をさますのじゃ。
こんな所でねていると、かぜをひくぞ。
わしはこの山に住んでいる明神じゃ。
今日はおまえに良いものをみせてあげ
よう。わしの後をついておいで」
その声は、いつか聞いたことのある明神
さまの声でした。
少女は、声のするほうにむかって歩いて
いきました。



どのくらい歩いたのでしょうか。
ふもとのひあたりの良い場所についた時、
少女はあっとおどろきの声をあげました。
何百年もの間、おおぜいの人が探しても
みつけることができなかった黄金色の花
が、どて一面に咲いているではありませ
んか。



それも一本や二本ではありません。
そこには百本、いや千本、二千本・・・、
数えきれないくらいの黄金色の花が咲い
ていたのです。
黄金色の花は、太陽にあたり、きらきら
と輝いていました。
「なんてきれいな花だろう」
少女は黄金色の花にみとれていました。



すると、また声が聞こえました。
「少女よ、長い間、本当によくがんばっ
たのー。目の前の黄金色の花は、おまえ
が咲かせた花じゃ。兄を思うやさしい気
持が、この黄金色の花になったのじゃ。
この花はなんというか知っているか。
福寿草というのじゃ。
おまえが兄にやさしいことばをかけるた
びに、一本ずつここに咲いたのじゃ。
この黄金色の花は、誰にでも見える訳で
はないぞ。
心のやさしい人にしか見えないのじゃ。
春になると、おおぜいの人が黄金色の花
をさがしにやってくるが、誰の目にも見
えないのじゃ」



   童話「守屋山に黄金色の花が咲いた」


http://www.geocities.jp/dowakan/moriyasan1.html





    「花のほほえみ」より  福寿草


 

    福寿草の花の写真


http://f.hatena.ne.jp/youko510/20050528141129


http://f.hatena.ne.jp/youko510/20050523140522





風の神様からのおくりもの―諏訪の童話

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