昨日につづき、童話「黄金色のまゆ玉」を
紹介します。
すると・・・。
「あなたは、今度まゆ玉が授かったら、私
にそのまゆ玉をかしてくれると約束してく
れたのに・・・。
なぜ?しばらくって、どの位なの?」
「友だちのこどもが、元気になるまでだよ」
「もし、そのこどもの病気がよくならなか
ったら、どうなるの?」
「もちろん、病気がなおるまで、まゆ玉をか
してあげるさ」
「そんな・・・。じゃあ、私との約束は、ど
うなるの。私、長い間、黄金色のまゆ玉を楽
しみにして待っていたのよ」
心のやさしい奥さんでしたが、さんざん楽
しみにして待っていたまゆ玉です。
奥さんは虫のいどころが悪かったのか、すな
おになれませんでした。
「私、このやしきをでていくわ」
「これくらいのことで、でていかなくても良
いではないか」
「まゆ玉のことはともかく、私は寒いのが大
嫌い。今までずっとがまんしていたけれど、
ここは日の沈むのも早いし、とても寒い。
こんな寒い所には、これ以上住めないわ。私
は、湖の向こう側の日がよくあたる場所へい
って暮らしたいの」
そういうと、奥さんはさっさとしたくをして、
湖の向こう側へ行ってしまいました。
そして、明神さまが何度迎えに行っても、奥
さんは帰ってきませんでした。
つづく