黄金色のまゆ玉6


昨日につづき、童話「黄金色のまゆ玉」を
紹介します。



すると・・・。
「あなたは、今度まゆ玉が授かったら、私
にそのまゆ玉をかしてくれると約束してく
れたのに・・・。
なぜ?しばらくって、どの位なの?」
「友だちのこどもが、元気になるまでだよ」
「もし、そのこどもの病気がよくならなか
ったら、どうなるの?」
「もちろん、病気がなおるまで、まゆ玉をか
してあげるさ」



「そんな・・・。じゃあ、私との約束は、ど
うなるの。私、長い間、黄金色のまゆ玉を楽
しみにして待っていたのよ」
心のやさしい奥さんでしたが、さんざん楽
しみにして待っていたまゆ玉です。
奥さんは虫のいどころが悪かったのか、すな
おになれませんでした。



「私、このやしきをでていくわ」
「これくらいのことで、でていかなくても良
いではないか」
「まゆ玉のことはともかく、私は寒いのが大
嫌い。今までずっとがまんしていたけれど、
ここは日の沈むのも早いし、とても寒い。
こんな寒い所には、これ以上住めないわ。私
は、湖の向こう側の日がよくあたる場所へい
って暮らしたいの」



そういうと、奥さんはさっさとしたくをして、
湖の向こう側へ行ってしまいました。
そして、明神さまが何度迎えに行っても、奥
さんは帰ってきませんでした。



   つづく