ふしぎな鈴「朝顔のエスカレーター」の章


ふしぎな鈴「朝顔エスカレーター」4


初めちらちら降っていた雪も、いつの間にかぼ
たん雪にかわりました。
雪をみているうちに、かなは黄金色の鳥がおい
ていった、黒い種のことを思いだしました。
かなは机の奥から黒い種をだしてきて、そっと
手の上にのせました。



すると・・・。 
「リーン、リーン、コロンころん」
「リーン、リーン、コロンころん」
どこからか鈴の音が聞こえてきました。
「かなさん、元気ですか。その種は朝顔の種で
すよ。外へでて、雪の上にその種をまいてごらん」
どこからか声が聞こえてきました。
「誰だろう?こんな雪の日に、種をまいても芽は
でないだろうに」
かなは思いました。



「かなさん、おねがい。雪の上にそっと朝顔の種
をおいてくださいな」
また声が聞こえました。
かなは外へでて、いわれたように雪の上に種をお
きました。



すると・・・。
種がわれて、中からかわいい黄緑色の芽がでてき
ました。二枚の葉が四枚になり、八枚になり、ど
んどん葉がでてきます。そして、あっと間に、何
万枚という葉になりました。
つるも空にむかってどんどん長くのびていきます。
つぼみも数えきれないくらい、たくさんつきました。


                   つづく



ふしぎな鈴 風の神様からのおくりもの (3)

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