初めちらちら降っていた雪も、いつの間にかぼ
たん雪にかわりました。
雪をみているうちに、かなは黄金色の鳥がおい
ていった、黒い種のことを思いだしました。
かなは机の奥から黒い種をだしてきて、そっと
手の上にのせました。
すると・・・。
「リーン、リーン、コロンころん」
「リーン、リーン、コロンころん」
どこからか鈴の音が聞こえてきました。
「かなさん、元気ですか。その種は朝顔の種で
すよ。外へでて、雪の上にその種をまいてごらん」
どこからか声が聞こえてきました。
「誰だろう?こんな雪の日に、種をまいても芽は
でないだろうに」
かなは思いました。
「かなさん、おねがい。雪の上にそっと朝顔の種
をおいてくださいな」
また声が聞こえました。
かなは外へでて、いわれたように雪の上に種をお
きました。
すると・・・。
種がわれて、中からかわいい黄緑色の芽がでてき
ました。二枚の葉が四枚になり、八枚になり、ど
んどん葉がでてきます。そして、あっと間に、何
万枚という葉になりました。
つるも空にむかってどんどん長くのびていきます。
つぼみも数えきれないくらい、たくさんつきました。
つづく
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