かきつばたになった少女


かきつばたになった少女1


昔、昔、ずぅーと昔。
神様が私たち人間と同じ国に住んでおられた頃
のお話です。



八ヶ岳のふもとの高原には、おおぜいの女神さ
またちが住んでいました。
その中に、「かきつばた」という名前の、美し
い少女がいます。
かきつばたは、ある神様の一人娘でした。神様
は、たった一人の娘を、宝物のように大切にし
ています。



女神さまたちは、みんな美しいかたばかりでし
たが、かきつばたの美しさは格別でした。
黒い長い髪、すきとおるような白い肌、小さな
かわいいくちびる、うっすらと紅をさしたよう
なほお、すらりとした体、澄んだ清らかなひと
み。かきつばたのひとみは、いつもきらきら輝
いていました。



かきつばたをみた人は、あまりの美しさにびっ
くりしました。
「なんて美しい少女だろう。この世にこんな美
しい少女がいるのだね」と。
かきつばたは、姿が美しいだけでなく、笑顔の
すてきな、心のやさしい少女でした。


  つづく



「かきつばたになった少女」は、信州の霧ケ峰
高原に伝わっている「かきつばた」の話をヒン
トにして、みほようこが書いた物語。



「かきつばたになった少女」は、みほようこ
の四冊目の本・「ライオンめざめる」に収録さ
れています。
「ライオンめざめる」は、風の神様からのおく
りものシリーズ4。



「ライオンめざめる」は、十月七日、、「鳥影社」
から発行されました。
ヤフーブックス・楽天・アマゾン・ライブドア
紀伊国屋書店ジュンク堂など、インターネット
書店でも、注文できます。



「鳥影社」のホームページからも、注文できます。
送料は無料。


http://www.choeisha.com/




ライオンめざめる―風の神様からのおくりもの〈4〉 (風の神様からのおくりもの (4))

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