竜の姿をみた少女


      竜の姿をみた少女21


「おじいさん。もう一つ聞いていいですか」
「改まって、何じゃ」
「おじいさんは、なぜ竜になってしまったのですか」
「さあ・・・なぜ竜になってしまったのだろうね。
わしにも、わからん。神様も、竜になった理由を教え
てくれないのでのぅ」



「奥さまも、竜になったのですか」
「ああ、妻も竜になってしまった。私と妻は、諏訪湖
のほとりで会った。ひとめみただけでおたがいに好き
になり、結婚した。ところが、妻があまりに美しい人
だったので、兄たちがやきもちをやいたのじゃ。そし
て、わしを諏訪湖の深いふちにつきおとしてしまった。



わしは、神様に助けられ、地の国の王子になった。地
の国の生活は、夢のような生活だったが、わしは愛す
る妻のことを忘れることができなかった。わしは、神
様の許しをえて、この村にもどってきた。しかし、妻
はどこにもいなかったのじゃ。わしは、「おっかあ、
おっかあー、どこにいるー。いたら返事をしてくりょー」
とさけびながら、妻をさがしてあるいた」


つづく


「竜の姿をみた少女」、まだまだ続きます。
いずれ本にしたいと思っています。
このつづきは、本ができた時に、公立図書館などで読ん
でいただきたいと思います。 



「竜の姿をみた少女」は、みほようこの二冊目の
童話集・「竜神になった三郎」の続編。



竜神になった三郎 風の神様からのおくりもの (2)

竜神になった三郎 風の神様からのおくりもの (2)



http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu2.html