黄金色のまゆ玉


黄金色のまゆ玉2


氷がせりあがり、いくえにもかさなりあっています。
大きな山は、こどもの背丈ほどありました。小さな
山でも、三十センチくらい。
湖の上には、でこぼこした長い氷の山ができていた
のです。
人々には、大きな竜が、湖をのたうちまわっている
ようにみえました。




なんと、その氷の割れ目は、明神さまが住んでいる
神社の近くから、湖の向こう側までずっと続いてい
ました。
「昨夜、氷の上を歩いていた人は、明神さまだった
のだろうか」
「まさか・・・?」

「真夜中、明神さまはどこへ行ったのだろう」
「今夜、そっと明神さまの後をつけてみよう」
「おお、それがいい。それがいい」
勇気のある足の早い青年が、何人かで明神さまの後
をつけることにしました。



 
その日の夜。
青年たちは、物陰にかくれて、明神さまがでてくる
のをじっと待っていました。
すると・・・。
明神さまがでてきました。
「おお、寒いっ」
明神さまは、空をみあげみぶるいしました。


つづく