黄金色のまゆ玉


黄金色のまゆ玉9


これから、三十年に一度、一つずつ黄金色のまゆ玉
を授けよう。次のまゆ玉が授かるまで、そのまゆ玉
を大切にするのじゃよ。そして、この地方に養蚕を
ひろめてほしい。蚕は、天の神様たちが大切にして
いる虫じゃ。明神よ、これからも諏訪地方の人々を、
しっかり守っておくれ。頼むぞ、明神」
そんな声がどこからか聞こえてきました。



明神さまが授かった黄金色のまゆ玉は、三十年に一
つしか手にいれることができない貴重なまゆ玉でし
た。たとえ、明神さまがもう一つ黄金色のまゆ玉を
ほしいと思っても、手に入れることはできなかった
のです。
明神さまは、黄金色のまゆ玉を、とても大切にして
います。愛する奥さんにも、手をふれさせないほど、
黄金色のまゆ玉を大切にしていたのです。



つづく