黄金色のまゆ玉

   黄金色のまゆ玉10


明神さまは、黄金色のまゆ玉を手にするたびに、
「諏訪地方の人々が、無事でくらせますように。
そして、人々が幸せになれますように」
「お米やあわ・豆・野菜などがたくさんとれま
すように」
「桑がすくすく育ち、よいまゆがたくさんとれ
ますように」と、祈りました。



それから三十年がすぎました。
「ねえ、あなた。ぼつぼつ二つ目のまゆ玉が授
かるころね。今度黄金色のまゆ玉を授かったら、
そのまゆ玉を私にかしてくださらない?」
ある日、奥さんがいいました。



「ああ、いいよ。今度まゆ玉を授かったら、お
まえにそのまゆ玉をかしてあげよう」
明神さまは、奥さんと約束しました。
「あなた、約束を破ってはだめよ」
「わかった。わかった」
明神さまは、いいいました。


   つづく