星のメール


    星のメール2


夏休みのある日。
少女は、おとうさんと霧が峰高原へ行きました。
その帰り、諏訪湖のほとりで、一人の少年に会い
ました。



少年は十六才。
生まれた時から、目が見えないそうです。
でも、頑張り屋の少年は、普通の高校へ通ってい
ました。
「ぼくは目がみえません」
少年がそういわなかったならば、少女は、少年が
目が不自由だということを知らずにいたかもしれ
ません。
それ位、少年の動作は自然でした。



少女は、この春、小学校へ入学したばかりでした。
だから、ひらがなと、少しの漢字しか書けません。
少女は、少年に手紙を書こうと思いました。
しかし・・・普通の文字を書いても、目の不自由な少
年には、少女が書いた手紙は読めません。



少女は、おとうさんから「点字」を教えてもらいま
した。
点字は、目の不自由な人たちが使う文字です。
少女は、「少年に手紙を書きたい」、その一心で、
難しい点字を、一生けんめいおぼえました。


つづく