守屋山に黄金色の花が咲いた6
それも一本や二本ではありません。
そこには百本、いや千本、二千本・・・、数えき
れないくらいの黄金色の花が咲いていたのです。
黄金色の花は、太陽にあたり、きらきらと輝いて
いました。
「なんてきれいな花だろう」
少女は黄金色の花にみとれていました。
すると、また声が聞こえました。
「少女よ、長い間、本当によくがんばったのー。
目の前の黄金色の花は、おまえが咲かせた花じゃ。
兄を思うやさしい気持が、この黄金色の花になった
のじゃ。
この花はなんというか知っているか。
福寿草というのじゃ。
おまえが兄にやさしいことばをかけるたびに、一本
ずつここに咲いたのじゃ。
つづく
童話「守屋山に黄金色の花が咲いた」は、
みほようこの初めての童話集・「風の神
様からのおくりもの」に収録されています。
- 作者: みほようこ,長野ひろかず
- 出版社/メーカー: 鳥影社
- 発売日: 2001/08
- メディア: 単行本
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