守屋山に黄金色の花が咲いた


守屋山に黄金色の花が咲いた6


それも一本や二本ではありません。
そこには百本、いや千本、二千本・・・、数えき
れないくらいの黄金色の花が咲いていたのです。
黄金色の花は、太陽にあたり、きらきらと輝いて
いました。
「なんてきれいな花だろう」
少女は黄金色の花にみとれていました。



すると、また声が聞こえました。
「少女よ、長い間、本当によくがんばったのー。
目の前の黄金色の花は、おまえが咲かせた花じゃ。
兄を思うやさしい気持が、この黄金色の花になった
のじゃ。



この花はなんというか知っているか。
福寿草というのじゃ。
おまえが兄にやさしいことばをかけるたびに、一本
ずつここに咲いたのじゃ。


  つづく


童話「守屋山に黄金色の花が咲いた」は、
みほようこの初めての童話集・「風の神
様からのおくりもの」に収録されています。



風の神様からのおくりもの―諏訪の童話

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