愛犬りゅう「ばいばい、またね」


    愛犬りゅう「ばいばい、またね」16


午前中は、何事もなく終わった。
午後になったら、空から白いものが降ってきた。
「何だろう、この白いものは?」
ぼくは、初めてみる白いものに、興味を持った。
そして、白いものをおって、庭を走りまわった。




ところが・・・。
はしゃぎすぎて、長い鎖がさつきの木にからまっ
てしまった。
「だれか、助けて!!」
ぼくは、ひっしで助けをもとめた。
しかし、だれも助けにきてくれなかった。
となりにこうちゃんの両親が住んでいるが、二人と
も犬は大きらい。
だから、二人ともぼくには興味がないみたい。




鎖がからまったまま、ぼくは何時間も動けずにいた。
空からは、白いものがどんどん降ってくる。
ぼくの体にも、白いものがつもりだした。
庭も白いもので真っ白になった。
「こうちゃんが早く帰ってこないかな」
ぼくはこうちゃんが帰ってくるのを、首を長くして
待っていた。


つづく