愛犬りゅう「ばいばい、またね」


愛犬りゅう「ばいばい、またね」26


あーちゃんは、ぼくを楓の木の下へつれて
いってくれた。
「りゅう、ちょっと待っていてね。今ガス
の火をとめてくるから・・・。
逃げてはだめよ!!」
あーちゃんは楓の枝にひもをひっかけて、
台所へもどっていった。




ぼくは良い子で待っていた。
ところが、あーちゃんは、なかなか帰って
こない。
「あーちゃんは何をしているのだろう?」
ぼくは、逃げるつもりはなかった。
ハプニングがおきたのだ。
ぐっとひもを強くひっぱったら、ひもが枝
からぬけてしまったのだ。
「どうしよう・・・」




「ちょっと、一人で外へ行ってみようかな?」
「いや、ちゃんと待っていないと、あーち
ゃんにしかられる」
「少しぐらいの冒険なら良いだろう」
ぼくの心はゆれた。
「こんな良いチャンスはない。そうだ、冒
険に行こう!!」
そう思ったぼくは、かけだした。
後をふりかえったら、あーちゃんが台所か
らでてくる所だった。


             つづく