愛犬りゅう「ばいばい、またね」


 愛犬りゅう「ばいばい、またね」30


急な坂になっているので、「ごぉー」と
いう車の音がすごい。
でも、何度も「ごぉー」という音を聞い
ているうちに、少しなれてきた。
なれてきたが、それでもこわい。



あーちゃんは、どんどん歩いていく。
・・・といっても、ぼくが歩くのが遅い
だけだ。
あーちゃんは、少し行っては立ち止まっ
て、ぼくの様子をみている。
「あーちゃん、待って!!もっとゆっく
り歩いて・・・」
ぼくは心の中で何度もさけんだ。



でも、あーちゃんにはぼくのさけびは届
かなかったようだ。
ぼくはよろよろしながら歩いた。
「なんて急な坂道だろう」
ぼくは長い坂道をみて、ためいきがでた。
それでも、ぼくは一生けんめい歩いた。
「ぼく、もう歩けないよ・・・」
ぼくは疲れちゃって、道にしゃがみこんだ。


つづく