愛犬りゅう「ばいばい、またね」


 愛犬りゅう「ばいばい、またね」43


ぼくは、その声を聞いて、「ぎょっ」と
した。
なんと・・・ボールと一緒に、ボールを
持っていたあーちゃんの指をかんでしま
ったのだ。
右手の親指と中指だ。



ぼくは、あーちゃんの指など、かむつも
りはぜんぜんなかった。
ボールをとろうとしたら、たまたまそこ
にあーちゃんの指があったのだ。



「ちょっと、りゅう、何をするの!!」
「ぼく、ボールをとろうとしただけだよ」
「ねえ、りゅう。良い子だから、口をは
なして・・・。痛いわ・・・。
りゅうは今私の指にかみついているのよ。
わかる?」



そういわれても、最初はあーちゃんの指
にかみついているという感覚は、ぼくに
はぜんぜんなかった。


つづく