女神さまとの約束


女神さまとの約束6


しかし、長者は、いっこうによくなりま
せん。
とうとう、おきあがることもできなくな
ってしまいました。
ふくは、ひっしで長者の看病をしました。



そんなある朝。
「とんとん、とんとん」
玄関の戸をたたく音がしました。
「こんなに朝早く、だれだろう?」
ふくは、いそいで玄関の戸を開けました。



すると、白い馬が立っていました。
馬は、口に手紙をくわえています。
「だれからの手紙かしら」
ふくは、手紙を読みました。



「私は、八ヶ岳の女神です。大雪の夜、
あなたの家に泊めていただいた者です。
あの夜のことを、おぼえていますか。あな
たは、ほんとうに心のやさしい娘ですね。



あなたのことは、小さな時からよく知って
いますよ。
私が、おとうさんを助けてあげましょう。
この白い馬に乗って、黄金色の花をさがし
なさい。黄金色の花は、八ヶ岳の山の中に
咲いています。


つづく