女神さまとの約束


女神さまとの約束30


「白駒。もう帰ってしまうの。今夜はここ
にいて。おねがい」
ふくは、手をあわせ、白駒にお願いしました。
今にも死んでしまいそうな人と、二人っきり
ですごすのかと思うと、ふくは不安でした。



「ふくさん。だいじょうぶですよ。明日朝早
く、様子をみにきますね」
そういって、白駒は帰っていきました。
その夜。
ふくは、ねないでおじいさんの看病をしまし
た。



次の朝。
「あれっ?」
「やっと、気がついたのね。よかった」
ふくは、ほっとしました。
「ここは、どこ?」
目をさましたおじいさんは、ふしぎそうな顔
で聞きました。
「ここは、八ヶ岳の山奥、硫黄岳の岩場です
よ。おじいさんは、昨日ここへきたのです」


つづく