女神さまとの約束31
「昨日? ここへ」
「そうですよ。白い馬に乗って、ここへきた
のですよ」
「白い馬? わしは、何にもおぼえておらん」
おじいさんは、何もおぼえていないようでした。
ふくは、おじいさんの体を、黄金色の花びらで、
何度もさすってあげました。
「一日も早く、おじいさんが元気になれますよ
うに」と、心の中で祈りながら。
おじいさんは、たてしな山のふもとに住んでい
るとか。七十才くらいの人のよさそうなおじい
さんでした。
畑仕事をしていて、急にたおれてしまったと話
してくれました。
少し元気になったおじいさんは、こどものころ
の話をしてくれました。
おじいさんが歩けるようになると、岩場のまわ
りを、二人で散歩しました。
つづく