朝顔のエスカレーター


 朝顔エスカレーター5
 

では、これから出発します。
かなさん、おかあさんのことを、たのみま
すよ」
そういうと、黄金色の鳥は、おとうさんを
背中にのせて、どこかへとんでいってしま
いました。
それはあっという間の出来事でした。



「黄金色の鳥は、あちらの国っていったけ
れど、あちらの国ってどこにあるのかしら?」
かなは、「あちらの国」ということばが、気
になりました。



次の朝、かなは黄金色の鳥がとまっていた
柱時計の上を、そっとのぞいてみました。
黒い種が、一粒のっています。
「何の種かしら」と思いながら、かなはそ
の種を白いふうとうに入れ、机の奥にしま
っておきました。



庭へでると、おとうさんが育てた朝顔の花
が、たくさん咲いていました。
白い花も紫の花も、ピンクの花も咲いてい
ます。
「かな、みてごらん。朝顔の芽がでてきた
よ。かわいいだろ」


          つづく



童話「朝顔エスカレーター」は、
みほようこの三冊目の童話・「ふしぎな鈴」
に収録されています。








「ふしぎな鈴」は、2005年9月、
「鳥影社」から発行されました。



リーン・リーン・リーン…。
500年の時をへて、心やさしい小桜姫と
現代の少女を結ぶ、美しい鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっと教えて
くれたお話。




    ふしぎな鈴


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu3.html




http://www.bk1.jp/product/02593627



http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31593021