あげはちょうになって


 あげはちょうになって5


「ご先祖さま、広々したお墓ができて良か
ったね。気持がいいでしょ」
かなとおじいさんは、ひとつひとつの墓に、
花と線香をそなえ、水をかけた。



「ご先祖さま。さあ、一緒に家に帰りまし
ょうね」
かながそういった時、お墓の中から、一羽
のあげはちょうが飛び立った。
「おじいちゃん、あげはちょうが・・・」
「かな、みてごらん。あげはちょうだよ」
二人は、同時にさけんだ。



あげはちょうは、ひらひら舞いながら、二
人の後をついてきた。
「ひろが、あげはちょうになったのだわ」
かなは、そう思った。


        つづく