ふしぎな鈴「プロローグ」2
「今年もきれいに咲いたのね」
かなは、そっと花のにおいをかぎました。
桜の花の香りが、あたりにぷーんとただよ
いました。
大好きなおとうさんがなくなった年の春。
かなはおとうさんといっしょに、この丘へ
桜の花をみにきました。
桜の花が美しく咲いていたのを、今でもは
っきりおぼえています。
その時、おとうさんは小桜姫の話をしてく
れました。
小桜姫が大切にしていた、二つの鈴のお話
です。
「そんな鈴があったらいいなぁ。
大好きな小鳥や花とお話ができるなんて、
さぞ楽しいだろうな」
かなはそう思いました。
「プロローグ」の章 おわり
「ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の本。
信州諏訪の「風の神様」から聞いたお話。
「ふしぎな鈴」は、2005年9月、
「鳥影社」から発行されました。
ふしぎな鈴
http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu3.html
http://www.bk1.jp/product/02593627