ふしぎな鈴「小桜姫とふしぎな鈴」


ふしぎな鈴「小桜姫とふしぎな鈴」5


一つは、桜の花びらで囲まれた中に、小さ
な鈴が入っていました。
「リーン・リーン・リーン」
鈴虫が鳴いているような、すんだ音色の鈴
でした。
姫はこの鈴がお気に入りで、なくなるまで
大切にしていました。 



もう一つの鈴は、桃の実の形をしていて、
中に入っている鈴も、少し大きめです。
「リーン・リーン・コロンころん」
なんともいえない良い音がします。
和紙でできていて、あどけないこどもの顔
がかいてありました。



姫が十才になった春のある日。
姫は庭へでて、満開の桜をじっとながめて
いました。
そして、おとうさんからもらった桜の鈴を、
何回かふってみました。


          つづく



「ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の本。
信州諏訪の「風の神様」から聞いたお話。



「ふしぎな鈴」は、2005年9月、
「鳥影社」から発行されました。










    ふしぎな鈴


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu3.html




http://www.bk1.jp/product/02593627