ふしぎな鈴「小桜姫とふしぎな鈴」6
「リーン・リーン・リーン…」
姫が七回鈴をふった時、どこからか話し声
が聞こえてきました。
「誰だろう?」
あたりをみまわしましたが、誰もいません。
じっと耳をすませて聞いていると、桜の花
がこんなおしゃべりをしていました。
「小桜姫さまってね、…女の子だけど…小
鳥やちょうが…大好きなんですって」
「そういえば…姫のおとうさまも…小鳥が
大好きですものね」
「そうそう、小桜姫さまはね、…ふしぎな
鈴を…もっているですって」
「ふしぎな鈴って…どんな鈴なの?」
「その鈴はね、桜の花びらの…鈴でね」
「みんな聞いた? 桜の花びらの鈴…です
って」
「その鈴を…靜かにリーン・リーン・リー
ン…と何回かふると、私たちのような花や小
鳥と…お話することができるんですって」
「それ、本当なの?」
つづく
「ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の本。
信州諏訪の「風の神様」から聞いたお話。
「ふしぎな鈴」は、2005年9月、
「鳥影社」から発行されました。
ふしぎな鈴
http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu3.html
http://www.bk1.jp/product/02593627