ふしぎな鈴「かな生まれる」


  ふしぎな鈴「かな生まれる」1
 

小桜姫がなくなってから、五百年近い月日
がたちました。



南アルプスの山々が美しくみえる町に、女
の子が生まれました。
かなが生まれた時、丘の上の桜が、とても
美しく咲いていたそうです。



かなは、おとうさんとおかあさんと三人で
暮らしています。
おとうさんは、町の小学校へつとめていま
した。
かなは、笑顔のすてきな、心のやさしいこ
どもでした。



かなの庭には、南天・梅もどき・まゆみな
ど、実のなる木がたくさん植えてあります。
その木へ、いろいろな小鳥がたくさんやっ
てきます。 
「ホーホケキョ、ホーホケキョ」
四月になると、うぐいすがやってきます。
かなはうぐいすがくるのを、楽しみにして
待っています。


         つづく



ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の本。


リーン・リーン・リーン…。
500年の時をへて、心やさしい小桜姫と
現代の少女を結ぶ、美しい鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっと教えて
くれたお話。



「ふしぎな鈴」は、2005年9月、
「鳥影社」から発行されました。
挿絵は、長野ひろかず先生。








http://www.bk1.jp/product/02593627