ふしぎな鈴「校長先生と桜の鈴」


ふしぎな鈴「校長先生と桜の鈴」1


それから何カ月か過ぎました。
かなは一年生になりました。
かなの小学校へ、長いひげの校長先生がふ
にんしてきました。
小柄な色黒の先生でした。
先生のひとみは温かく、いつもきらきらと
輝いていました。



かなは校長先生が大好きでした。
かなだけでなく、こどもたちはみんな校長
先生が好きだったのです。          
校長先生は、毎朝校門の前にたって、こど
もたちを迎えます。



「かな、おはよう。元気かな」
「まさし、おはよう。かぜはもうよくなっ
たかな」
校長先生は、こどもたち一人一人に、やさ
しく声をかけます。



かなは校長先生の「おはよう」という声を
聞くと、心の中がぱっと明るくなるような
気がしました。
校長先生は、まわりにいるの人々を、元気
にしてしまうふしぎな人でした。


           つづく



ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の本。


リーン・リーン・リーン…。
500年の時をへて、心やさしい小桜姫と
現代の少女を結ぶ、美しい鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっと教えて
くれたお話。



「ふしぎな鈴」は、2005年9月、
「鳥影社」から発行されました。
挿絵は、長野ひろかず先生。











「校長先生と桜の鈴」の章の挿絵 (裏表紙)





http://www.bk1.jp/product/02593627