ふしぎな鈴「ふしぎなリュック」


 ふしぎな鈴「ふしぎなリュック」5


「リーン、リーン、コロンころん」
「リーン、リーン、コロンころん」 
かなは、むじゃきに何度も鈴をふっていま
す。



すると…。           
先生の頭の中に、遠い昔のことが、ぼんや
りとうかんできたのです。
どこかの海岸… おや?この海岸は、春行
った三浦半島の海岸にそっくりだが…。



白いお城…なつかしいなぁ。
私はこの城に住んでいたことがあるような
気がする。
乗馬のけいこをしている女性… あれ、い
つかこんな光景をみたことがあるような気
がする。
どこでみたのだろうか?



うちじにしている人々…血まみれになり、
なきさけんでいる人々。
「もしかしたら…私は昔三浦半島の城に
住んでいたことがあったのかもしれない。
そして、かなもいっしょに暮らしていたの
かもしれない。



でも…かなはまだ四年生、今このことをか
なに話すわけにはいかない。
かなが二十才になったら話そう」
先生は心に決めました。


       つづく



ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の本。


リーン・リーン・リーン…。
500年の時をへて、心やさしい小桜姫と
現代の少女を結ぶ、美しい鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっと教えて
くれたお話。



「ふしぎな鈴」は、2005年9月、
「鳥影社」から発行されました。
挿絵は、長野ひろかず先生。








http://www.bk1.jp/product/02593627



ふしぎな鈴 風の神様からのおくりもの (3)

ふしぎな鈴 風の神様からのおくりもの (3)