ふしぎな鈴「ふしぎなリュック」


 ふしぎな鈴「ふしぎなリュック」7


かなと先生は、びっくりしてただ顔をみあ
わせるばかりでした。
「十年後、この丘の桃の花が満開になった
日、かなさんが行きたいと思う所へ、つれ
ていってあげましょう」



そういうと、黄金色のリュックは、またも
との灰色のリュックにもどってしまいまし
た。気がつくと、鈴ももとの鈴にもどって
いました。



「十年後、この丘の桃の花が満開になった
日、またこの丘であおう」
先生はかなとかたく約束しました。
「先生、きっとよ。いつまでも私のことわ
すれないでね」
「わすれるものか、かな。十年後かならず
この丘であおう」
二人はそう約束しました。


        つづく



ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の本。


リーン・リーン・リーン…。
500年の時をへて、心やさしい小桜姫と
現代の少女を結ぶ、美しい鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっと教えて
くれたお話。



「ふしぎな鈴」は、2005年9月、
「鳥影社」から発行されました。
挿絵は、長野ひろかず先生。








http://www.bk1.jp/product/02593627