きよと清太と、そして白駒


  きよと清太と、そして白駒51


しばらくいくと、だんだんに明るくな
ってきました。
そして、太陽が顔をだしました。
太陽をみた清太は、ほっとしました。
「無事に湖がみつかりますように・・・」
清太は、太陽にむかって祈りました。



やしきをでてから、どのくらいの時間
がすぎたのでしょうか。
やっと、麦草峠に着きました。
足の丈夫な清太でしたが、峠に着いた
時には、ぐったり疲れていました。



「きよちゃんと一緒にきたかったな」
心の中の糸がきれてしまったように、
涙がでました。
清太は、大声でおいおいと泣きました。
五分後、思いっきり泣いたせいか、気
持がすぅーと楽になりました。


              つづく



信州の佐久地方には、「白駒の池」と
いう美しい湖があります。
その湖には、「白駒の池」という悲し
い伝説があります。



「きよと清太と、そして白駒」は、そ
の伝説をヒントにして、みほようこ
書いた物語。