きよと清太と、そして白駒


  きよと清太と、そして白駒61


清太は、湖のほとりで、ごろんと横に
なりました。
雲ひとつない真っ青な空。
青く澄んだ湖。
「気持いいなぁ」
そうつぶやくと、清太は深い眠りに入
っていきました。



その日の夕方。
「とうちゃん。清太さんが、まだ帰っ
てこないの。
清太さんは、今日どこへ行ったの?」
「清太は、用事があり、遠くの村へ行
った。用事がすめば帰ってくる。
だから、心配しなくても、だいじょう
ぶだよ」
長者は、苦しまぎれにそういいました。


             つづく



信州の佐久地方には、「白駒の池」と
いう美しい湖があります。
その湖には、「白駒の池」という伝説
があります。



「きよと清太と、そして白駒」は、そ
の伝説をヒントにして、みほようこ
書いた物語。