きよと清太と、そして白駒


  きよと清太と、そして白駒65


どうしてこんなことになってしまった
のだろう。
清太をおいだしたから、ばちがあたっ
たのだろうか。
長者は、自分が大切にしていたものを、
すべてなくしてしまったような気がし、
がっかりしました。



「白駒。せめておまえだけでも、早く
もどってきておくれ」
長者は、心の中で祈りました。



白駒がいなくなって、十日後。
「とんとん、とんとん」
窓をたたく音がしました。
「きよさん、きよさん」
外で、だれかよんでいます。


             つづく



信州の佐久地方には、「白駒の池」と
いう美しい湖があります。
その湖には、「白駒の池」という伝説
があります。



「きよと清太と、そして白駒」は、そ
の伝説をヒントにして、みほようこ
書いた物語。