きよと清太と、そして白駒


 きよと清太と、そして白駒76


「女神さま。私の使命は、何でしょう
か?」
「心をしずめ、自分の心に聞いてみな
さい。そうすれば、自分の使命がなに
かわかります。



あなたは、長者の娘として生まれ、今
まで何不自由ない生活をしてきました。
世の中には、清太のように貧しい人た
ちがたくさんいます。
その人たちのために、力になってあげ
なさい」



「女神さま。どうか清太さんに会わせ
てください。お願いします。」
きよは、ひっしで女神さまにお願いし
ました。
「清太には会わせることはできません。
でも、ひとめだけ、清太の元気な姿を
みせてあげましょう。



清太の姿をみたら、家にもどって、自
分の使命をしっかりはたすことができ
ますか」
「はい」
きよは、女神さまと約束しました。


              つづく



信州の佐久地方には、「白駒の池」と
いう美しい湖があります。
その湖には、「白駒の池」という悲し
い伝説があります。



「きよと清太と、そして白駒」は、そ
の伝説をヒントにして、みほようこ
書いた物語。