きよと清太と、そして白駒


  きよと清太と、そして白駒77


「では、白駒。清太の姿がみえる場所
へ、案内してあげなさい」
女神さまは、白駒にいいました。
「じゃあ、きよさん。行きましょうか」
白駒は、野をこえ、里をこえ走ってい
きます。



やっと麦草峠につきました。
「きよさん。もうすぐですよ」
白駒がいいました。
しばらく走ると、こめつが・しらびそ
の森がありました。
大きな木の根元には、黄緑色のこけが
びっしりはえています。



こめつがなどの原生林をぬけると、目
の前に美しい湖があらわれました。
湖のまわりでは、もみじやななかまど
の葉が、真っ赤に紅葉しています。
その姿が、湖面にうつっていました。


             つづく



信州の佐久地方には、「白駒の池」と
いう美しい湖があります。
その湖には、「白駒の池」という悲し
い伝説があります。



「きよと清太と、そして白駒」は、そ
の伝説をヒントにして、みほようこ
書いた物語。