竜の姿をみた少女7
「そういえば、かなちゃんのおとうさ
んも、湖に竜がいると信じているみたい」
「ほんとにおかしな親子だねぇ」
村の人は、どの人も「竜なんかいない」
と思っていました。
山深い村にも、ようやくあたたかな春
がやってきました。
湖のほとりでは、空色のいぬのふぐり
の花が咲き始めました。
かなは、いぬのふぐりの花が大好き。
「かな、この空色の花はね、いぬのふ
ぐりという花だよ。かわいい花だね。
空のお星さんが、草むらでかくれんぼ
しているみたいだね。
いぬのふぐりの花は、きびしい寒さの
中で、春一番に咲くんだよ」
なくなったおかあさんが、教えてくれ
た花でした。
つづく
童話「竜の姿をみた少女」は、童話
「竜神になった三郎」の続編。
童話「竜神になった三郎」は、
みほようこの二冊目の童話集「竜神に
なった三郎」に収録されています。
童話「竜神になった三郎」
http://www.geocities.jp/dowakan/saburou1.html
童話集「竜神になった三郎」
http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu2.html
http://www.bk1.co.jp/product/2434727