火とぼし山


   火とぼし山68


「さあ、そこへきよをねかせてお
くれ」
「はい」
手長と足長は、ふとんの上にきよ
をねかせました。



「きよ」
「きよ」
「なぜ、うずにはまったのじゃ」
明神さまは、心の中できよに話し
かけました。



すると、
「次郎さんが・・・」
「次郎がどうした」
「次郎さんがたいてくれた火が・・・」


            つづく



「おみわたり」で有名な信州の諏訪
湖には、「火とぼし山」という悲し
い伝説があります。



「火とぼし山」は、その伝説をヒント
にして、みほようこが書いた物語。