鹿になった観音さま


   鹿になった観音さま14


「三郎さ。黄金色の鹿は、小さい
観音さまの化身だったのかもしれ
ないぞ」
「えっ、観音さまの化身?」
「そうじゃ」



「じゃあ、わしは・・・観音さまに・・・
矢をむけたということですか」
「そういうことになるかのぅ」
和尚がいいました。



「和尚さま。わしは、おそれおおく
も観音さまに矢をむけてしまいました。
わしは、どうしたらいいんじゃ」
三郎は、観音さまの化身である鹿に
矢をむけたことを、心からくやみま
した。


             つづく



信州の伊那谷に、「立石寺」という
寺があります。


「鹿になった観音さま」は、立石寺
に伝わっている話をヒントにして、
みほようこが書いた物語。



  初めて読んでくださったかたへ

 
   鹿になった観音さま1


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20080606#p1



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