鹿になった観音さま


   鹿になった観音さま22


「三メートルくらいある、でかい
石です」
「いつから、石があったのじゃ」
「今、畑にいったらありました」
和尚は、いそいで畑へいってみま
した。



畑には、大きな青い石がころがっ
ていました。
「みごとな石じゃのぅ。この石は、
タケルとチハヤのみがわりにちが
いない」
和尚は、大きな石をみていいました。



「わん、わん、わん」
大きな石のまわりを、タケルとチ
ハヤが、うれしそうに走りまわっ
ています。



普門寺は、その後、「立石寺」と
よばれるようになりました。
そして、村の人々は、大きな石の
あるあたりを、「たていし」とよ
んでいます。


            おわり     



信州の伊那谷に、「立石寺」という
寺があります。


「鹿になった観音さま」は、立石寺
に伝わっている話をヒントにして、
みほようこが書いた物語。



  初めて読んでくださったかたへ

 
   鹿になった観音さま1


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20080606#p1



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