おとうさんがなくなってから、百
日がすぎました。
かなの村に、初雪が降りました。
初めちらちら降っていた雪も、い
つの間にかぼたん雪にかわりました。
雪をみているうちに、かなは黄金
色の鳥がおいていった、黒い種の
ことを思いだしました。
かなは机の奥から黒い種をだして
きて、そっと手の上にのせました。
すると・・・。
「リーン、リーン、コロンころん」
「リーン、リーン、コロンころん」
どこからか鈴の音が聞こえてきまし
た。
「かなさん、元気ですか。その種は
朝顔の種ですよ。
外へでて、雪の上にその種をまいて
ごらん」
どこからか声が聞こえてきました。
つづく
童話「朝顔のエスカレーター」は、
みほようこの三冊目の童話・
「ふしぎな鈴」に収録されています。
「ふしぎな鈴」は、2005年9月、
「鳥影社」から発行されました。