井戸で鳴く黄金色のにわとり


 井戸で鳴く黄金色のにわとり13


「こっこ、だいじょうぶ。私が守っ
てあげるから」
姫は、にわとりをしっかりだきしめ
ました。
「神様、どうか大島城をお守りくだ
さい。一刻も早く、城の火が消えま
すように」
姫は、心の中で一心に祈りました。



どのくらいの時間がすぎたのでしょ
うか。
「姫。わしが、大島城を守ってやる
ぞー。安心しろ。
わしは、大蛇ケ淵の主じゃ」
どこからか、おごそかな声が聞こえ
てきました。



すると・・・。
大蛇ケ淵から、水柱があがりました。
天まで届くほどの巨大な水柱でした。


             つづく



「井戸で鳴く黄金色のにわとり」は、
信州の伊那谷にあった「大島城」に
伝わっている話をヒントにして、
みほようこが書いた物語。